2021/10/02
概要:
2010年代以降、世界の多くの場所で移民難民問題がクローズアップされてきました。それはグローバル化する現代世界が直面した新たな試練であり、しばしば「危機」として語られます。しかし、移民難民の受け入れと共生は、私たちの社会が今後、新しく柔軟に変化し、発展していくうえでのチャンスでもあるかもしれません。今回の公開講座では、そうした可能性について考えてみたいと思います。
【日 程 : 令和3年10月2日(土)】
※今年度はウェブ会議システム(ZOOM)を使用した開催となります。
13:10~13:20 開講式
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13:20~14:50 第1回
「EUにおける移民難民問題〜危機とレジリエンス」
坂井 一成(国際社会論コース 教授)
講義内容:「アラブの春」の一連の政治変動を受けて、2015年をピークに著しい数の移民難民がEU、とくに地中海の玄関口に当たるイタリア、ギリシャに押し寄せた。EUはこれに対処するための緊急措置として、加盟国全体で分担して受け入れ対応を行う案を示したが、ハンガリーやポーランドなど東欧諸国の反発で十分に実施できていない。EUは危機を乗り越えるための連帯の必要性を繰り返し強調し、EUとしての結束強化を目指している。振り返れば、過去、EUは、様々な危機を経験し、その度に危機克服の過程でむしろ統合の深化を進めるという、危機におけるレジリエンス(回復力)を示してきたが、移民難民危機においてはいかなるレジリエンスが発揮されるのだろうか。
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15:10~16:40 第2回
「日本における移民難民問題〜「外国人」が暮らしやすい社会のどこが良いのか」
青山 薫(先端社会論コース 教授)
講義内容:近年、日本の人口の2%超が移民だと言われる。これは、10%から15%程度のEU各国やアメリカなど、欧米の経済大国と比べてかなりの低率である。しかし、人数で見ると、日本にはすでに250万人の移民が暮らし、コロナ禍前は、OECD加盟国の中で4番目に多い年間50万人が入国していた。日本が「移民大国」とも呼ばれるゆえんである。日本政府は、現在まで何度も「移民政策はとらない」と明言し、各国際機関が推し進める社会統合を無視しているが、日本に住む外国人は私たちの隣人であり、同僚であり、友人であり、恋人であるかもしれない。子どもの同級生の父母かもしれない。このような身近な現実から、外国人が暮らしやすい社会の将来性を展望したい。
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講習料: 無料
受講対象者: 一般社会人,学生(中学生以上)
募集人数: 200名(先着順受付)
【受講申込受付期間 : 令和3年9月1日(水)~9月17日(金)】
ただし,定員(200人)に達し次第,受付を終了します。
*申込受付期間外の受付はできません。上記期間内にお申し込み下さい。
※お申込みの際に記入いただいたメールアドレスにZOOM(ズーム)のURLをお送りいたします。
前日までにURLが届かない場合は,下記までご連絡をお願いいたします。
Zoomの参加方法については以下の案内をご覧ください
——問い合わせ先——
神戸大学国際人間科学部
鶴甲第一キャンパス事務課総務係
〒657-8501 神戸市灘区鶴甲1-2-1
TEL:078-803-7515
<平日8:30~17:15/土日祝日を除く>
E-mail:gicls-soumu@office.kobe-u.ac.jp