◎ 専門；日本近現代史・近現代日本社会論
東京地検記録課で、限定公開されている「二・二六事件裁判記録」を閲覧し、２００３年１０月『二・二六事件』（吉川弘文館）を刊行しました。幸い讀賣新聞・アカハタなどの書評欄で取上げられ、現在四刷になりました。とくに関心をもって、研究を進めているのは、近現代日本人（現在を含む）の意識のあり方についてです。これについては、2005年3月、私が指導して雑誌に掲載された3本の卒論に、私の論稿を加えて『戦後日本人の意識構造―歴史的アプローチ』（梓出版社）を刊行しました。また2004年12月、1000ページに及ぶ『西宮現代史』第三巻（社会・教育・経済関係史料編）を監修しました。現在、同本文編の執筆・監修を進めているところです。
主な著書；
単著
『二．二六事件』(岩波書店)
『日本ファシズムとその時代―天皇制・軍部・戦争・民衆―』 （大月書店）
『二･二六事件―青年将校の意識と心理―』 （吉川弘文館）
編著
『戦後日本人の意識構造―歴史的アプローチ』（梓出版社）
監修
『西宮現代史』第三巻（西宮市役所）
共著
『日本の近代』(梓書房)
『日本の現代』(同前)
『加古川市史』第３巻(本文編)・第６巻 上・下(近現代資料編)
『福崎町史』第２巻・第４巻(近現代本文編・資料編)
『姫路市史』第５巻下 本編
経歴；東京都出身
１９４６年生まれ
１９６５年 東京都立立川高校卒業後、北海道大学医学部進学課程入学するも中退
１９６９年 早稲田大学第一文学部入学、
７３年 同上日本史学科卒業後、早稲田大学文学研究科修士課程入学、
７５年 同修了
１９７５年 一橋大学社会学研究科博士課程入学、
７８年 同、単位修得の上退学
１９７８年 一橋大学社会学部助手、
８０年 神戸大学教養部専任講師・助教授・教授を経て、
１９９２年より、神戸大学国際文化学部教授。
総合人間科学研究科地域文化学専攻日本文化論講座（前期課程） 同研究科人間文化科学専攻近現代文化形成論講座（後期課程）担当
博士(文学)
プロフィール；現在、出勤前、朝六時からのスポーツジム通いにはまっています。
その他２００３年以後書いたもの；
単著『二･二六事件―青年将校の意識と心理―』（吉川弘文館 ０３年１０月）
共編著『古家実三日記研究』第３号（古家実三日記研究会 ０３年５月）
共著「雑誌『農民倶楽部』に見る日中戦争下の農村―1937年から1940年―」（服部雅史と 『日本文化論年報』第６号 ０３年３月）
単著「創られた神話―二･二六事件と青年将校像―」（『本郷』第49号 ０４年１月）
「生瀬自治会文書について」（後期課程院生の藤室玲治君と共著 『市史研究にしのみや』第５号 ０３年３月）
「新島繁と新島繁文書」（元院生・現在神戸大学助手の野邑理栄子君と共著 『近代』第９１号 ０３年５月）
大学院生指導
後期課程で、博士（学術）を取得した野邑理栄子君は、神戸大学助手を務め、本年、博士論文が出版助成を受け、吉川弘文館から出版されます。また同じく博士号を得た塩出環君も、著書刊行のため出版助成に挑戦中です。修士終了後、中国に帰国した女性も、高等教育機関で教員を務めるなど、大学院創立まだ日が浅いにもかかわらず、ゼミ出身者が多方面に活躍し始めています。現在、須崎ゼミには後期課程院生七名（経済的事情などで休学しているもの三名を含む）前期課程院生四名がおります。
それぞれのテーマは、多岐にわたっていますが、当面ドクター論文を執筆する院生では、地域での草の根保守を歴史的に明らかにしようとしている画期的な研究、同じく西宮地域をフィールドに文化のあり方を追求する論稿、中国の排日排貨と日本人の意識を追及する研究をやっている人たちがおります。またＤ１・２の院生は、古家実三日記を主要な材料に従来の日本近代史研究自体を見直していこうとしたり、近代天皇制を用語面から再検討しようとしたり、昭和期の軍部・官僚・財界などの相互関係を見直そうとする研究に取り組むなど悩みつつも努力しています。
前期課程の院生は、海軍とメディア、敗戦後の多様な日本人の意識を掘り起こそうとする研究、昭和期の国際通信をめぐる情報戦を明らかにしようとする研究、戦後の古家実三日記を通して、地域での文化運動を明らかにしようとするテーマに取り組んでいます。
その他、学会等での報告も、相当数にのぼり、また地域貢献活動で活躍している院生も少なくありません。
指導した論文
博士論文
・野邑理栄子（現在、神戸大学助手） 博士論文は、2005年中に吉川弘文館から出版予定
・塩出 環（現在、高校講師）
「原理日本社の研究―歌人・三井甲之と蓑田胸喜―」（2003年度）
現在、博士論文出版助成申請中
修士論文（02年度以降）
・徐小潔「日貨排斥運動と日本人の意識―辰丸事件に関する報道を中心に―」（一部、『国際文化学』第九号掲載 2003年9月）
・和崎光太郎「大正自由教育の終焉―川井訓導事件とその周辺―」
・内藤英恵「お洒落雑誌『スタイル』に見る銃後〜日中戦争下の欲望と統制〜」（一部は、『日本文化論年報』第七号掲載 また一部は、レフェリー付雑誌に投稿中）
・山本かえ子「『大正デモクラシー』の再検討―「古家実三日記」に見る―」
（一部は、「古家実三にみる民衆への視線―日露戦後から1930年代初頭の日記をもとに―」として、『古家実三日記研究』第五号掲載）
・林 昌宏「環境保全における住民運動の役割―西宮甲子園浜埋立公害反対運動の展開過程を事例に―」（一部は、「環境保全における住民の役割についての一考察―西宮甲子園浜埋立公害反対運動を事例に―」として、『日本文化論年報』第八号掲載）
その他雑誌に掲載された修士論文など
・野邑理栄子「日清戦争後における軍事と教育の相剋―陸軍地方幼年学校廃止要求登場の歴史的意味―」（『日本文化論年報』第三号 2000年3月）
・野邑理栄子「日本型将校養成制度はなぜ発足したのか―児玉源太郎の陸軍幼年学校改革構想をめぐって―」（『歴史評論』607号 2000年11月）
・塩出環「帝大粛正運動と原理日本社」（『日本文化論年報』第四号 2001年3月）
・塩出環「蓑田胸喜と原理日本社」（『国際文化学』第九号 2003年9月）
・荘司康夫「新聞広告に見る近代神戸」(『古家実三日記研究』創刊号・第２号掲載 2001年11月、2002年5月)
・藤室玲治「西宮市のコミュニティ行政―西宮コミュニティ協会の設立と『宮っ子』の創刊」『市史研究にしのみや』第４号掲載、2001年3月、『西宮現代史』第三巻一部担当)
・竹内利江「企業の論理と文化評価―近鉄劇場の事例研究を通じて―」 （『国際文化学』第八号 2003年3月、『西宮現代史』第三巻一部担当）
・竹内利江「ある劇場の運命とその背景―日芸会館五年半の歴史的検証―」 （『古家実三日記研究』第四号掲載）
・和崎光太郎「明治末期の青年の意識―「古家実三日記」にみる―」(『古家実三日記研究』創刊号・第２号掲載 2001年11月、2002年5月)
・和崎光太郎「古家実三と神戸中学―明治末期の一中学生の生活―」（『歴史と神戸』43巻1号 2004年2月）
・林 美和「派閥対立史観の形成とその虚構―池田純久と『統制派』を中心に―」（『鶴山論叢』第四号 2003年3月、他に一本、レフェリー付年報に投稿中）
・山本かえ子「古家実三日記」（1906.1.1〜1910.6.30 『古家実三日記研究』1〜4号 藤原昭三・須崎愼一・和崎光太郎と）
ニュース；2005年5月、大学院生の山本かえ子君を中心に、大学院須崎ゼミの人たちの尽力で、『古家実三日記研究』第五号が出ることになりました
(ttp://ccs.cla.kobe-u.ac.jp/staff/ssuzaki/WWW/)。
大学院・総合人間科学研究科 授業科目
フル・タイムで働きながら、大学院に来られる人のために、日曜日に開講しています。前期課程在学中に、一人一人が論文投稿が出来るようになることを重視して指導に当っています。
前期 史料調査実習（佐々木清文書の調査及び目録作成）
後期 近代天皇制の歩み―国際関係を重視して―（授業形式）
前期課程（地域文化学科 日本文化論講座）担当授業科目名；日本社会変容特論 日本社会変容特論演習
後期課程（人間文化科学専攻 近現代文化形成論講座）担当授業科目名：社会変容演習
連絡先 〒657-8501 神戸市灘区鶴甲１−２−１神戸大学国際文化学部
Ａ４０４研究室 078-803-7450 ssuzaki＠kobe-u.ac.jp
Ｅ-mailアドレス ssuzaki@kobe-u.ac.jp
古家実三日記研究会ホームページ http://ccs.cla.kobe-u.ac.jp/staff/ssuzaki/WWW/