就職活動を振り返って |
3回生の11月頃、私にとって就職活動とは、何なのか、何をすべきかまだ漠然としていて、ただ焦燥感に駆られていた覚えがあります。今こうして就職活動を終えて、これから活動をされる皆さんに言える事は、この活動は、最終的に合か否、勝か負といった二元的なものではなく、くさい言い方をすれば「自分探し」であるという事です。 これまでの人生においては、偏差値や賞という自分の一面で評価されてきた事の方が多いかと思います。ですが就職活動では、過去(経歴)、現在(今の人格・能力)、未来(前二つから生まれる可能性)のまるまるの自分を自分が理解し、会社に理解してもらい,そして面接というお見合いを通して、自分と相性のよい会社を探します。自分を中から,そして外から知るいいチャンスと思って、就職活動に望んで、自分の視野と可能性を広げてください。
ほとんど最終まで辿り着くのに、なぜか初めのうちは内定が出ず、最終キラーのあだ名まで付けられ、悩んだ時期もありました。今考えると、落ちたところは日本の古いメーカーが多く、自分の志望度合いもさほど強くなく、でもなんとか受かろうと繕っている所が最終ではやはり表れたからだと思います。そう気付いてからは、自分を無理して繕うことなく自信を持って面接を受けられるようになり、結果もよくなったように思えます。
コンサル志望だったのですが、始めるのが遅かったようで、結局受けたのは3社でした。途中、第一志望だった会社の人々が、頭は切れるけどとても威圧的で印象が悪く、かなりショックを受け、どこで会社を判断すればよいのか不安になりました。知名度か、社風か、学生か、職種か。社風と職種は譲れない、でもそんな理想の会社あるのかと悩みました。しかしその後、両方揃えた今の会社と出会い、それからは死ぬ気で頑張りました。
第一志望のデロイトから内定をもらった後もすぐ活動は終えませんでした。デロイトに前後して、日本総研・ニッセイ情報システムから内定をもらいましたが、断りました。
その後IBM,ホンダから内定をもらい、親はやっている事が漠然としているコンサルよりは、伝統があり、手当てなども充実しているホンダやIBMに入って欲しかったようですが、悩みに悩んだ末、やはり自分の気持ちを信じてコンサルにしました。
正直、ホンダのECOカーの海外営業、または広報、とかなり迷いましたが、なぜコンサルにしたかというと、「メーカーとコンサルはどう違いますか?」という質問に、社員の方が「他の業種で働く同期の友達の言っている愚痴が、コンサルをやっているとちっぽけな悩みに聞こえる。」と言われたように、コンサルでは、会社の歯車としてルーティーン・ワークを働くのではなく、プロジェクト毎に自分の頭をひねって、経営者と同じ立場から提言するという責任の重い仕事につける点。元から官公庁以外で公共の仕事に携わりたかったので、環境、ODAのコンサルもできる点。 また、デロイトではコンサルタントとしての人間性も重視していた点。これらの点に惹かれたからです。
【国際文化学部】 よく国際文化は何をしているか分かりにくく、仕事上、直接役立つ学部ではないから、企業受けも悪いのではないか,と心配する人もいますが、企業側は大学での知識はほとんど仕事で役に立たないし,求めないと言っています。学部に関係なく、何の目的もなく流された大学生活を送っていては、良い印象はもってもらえないでしょう。でも、新しい学部で自由に自分の目的意識をもって、何か一つでも取り組んで入れば、それは逆に高く評価されます。注目を集められるとプラスに考えてください。
私は、出身学部について、活動中、引け目に感じる事は全くなかったです。面接などでも、ありきたりな専門に固執している人より、幅広くかつ漠然とならない斬新なテーマを持っている人のほうが、話が盛り上がっていたように思えます。関係ないですが、ある意味、コンサルティングとういう職業は、マクロな立場で物事を見ながら、ミクロな部分を追求している所が、国際文化のカルチャーに似ているかな,とたまに思います。
【最初の活動】 まず、どんな仕事があるのかまだ詳しく知らなかったので、ネットや本を使って、業種や職種を研究しました。興味のある業界をピックアップし、なぜ自分がその業種に興味を持ったかをよく考えてみました。理由は自分がこれまでしてきた事や、今している事に何か関係があるはずです。そして、そういった事がどうして自分にとって大事なのか、これを考える事が、自己分析にもつながってきます。「こういう自分だから、このような仕事がしたい」がわかれば自己分析と志望動機は完了です。初めのうちは、興味のあるところはどんどんエントリーして、自己分析と志望動機を練っていけばよいと思います。また、興味がない業種にも、少しは説明会などに参加すべきだと思います。私もコンサルなんて最初は思いつきもしませんでしたが、説明会に出て、目が覚めたような思いがしました。
【注意した事】 ただ自己分析と志望動機さえ話せばいいと勘違いしている人も多いようですが、初めて会った人に、「自分」と「動機」を十分に分かってもらい、納得してもらうためには、独り善がりにならず、わかりやすく理屈が通っている事が大切です。たくさんエントリーシートを書いて、面接を受け、どういうところで落ち、そして受かったかをよく考えて修正していってください。エントリーシートのコピーを、面接前などよく見直すといいと思います。
【心がけていた事】 私は面接では、よく他人の自己紹介と志望動機を聞き、それに対する人事側の対応を見て、上手だなと思う人の要素は、取り入れるようにしました。後、無理に企業受けを狙って繕わない事です。受けを狙って知識をひけらかす人より、この子は伸びるといった可能性が見える人のほうを取りたがると思います。仕事上伸びるためには、やはり自分の意志がはっきりしていて、人間関係も円滑であるという事が大事になってきます。それを示す為にも、面接では自分の言葉で人事というヒトと会話している事を忘れないで下さい。
【反省】 マスコミではかなりの労力と時間を費やしまい、コンサルをまわるのが遅れてしまい、結果受けた数が少なくなってしまいました。半年で、実際まわった会社の数が約20社だったので、相当一社一社に時間をかけていたなと思います。2,3月からコンサルを始めていれば、色々まわれて,もう少し早く4月には決まったのかな、とも思います。
不況や就職難と言われていますが、新しい発見や面白い出会いが本当にたくさんあります。この活動を通して成長した人も多いと思います。マイペースに自分を信じて、楽しむくらいの勢いで取り組んで下さい。みなさんが実りある活動ができますように!
何か私で相談に乗れる事があれば、 jorry@basil.freemail.ne.jpに気軽に連絡してください。