就職活動体験記 |
先日は体験談発表会を欠席してしまい、申し訳ありませんでした。今回こういった形で私の体験をみなさんに発表する場を与えていただいて、うれしく思っています。多くの人が言うことですが、就職活動に正解はありません。私には、みなさんに「こうするべきだ」と言うことはできませんので、できるだけ私がやったことをそのままに、また、自分が去年の今頃知りたいと思っていたことを書こうと思います。
さて、勉強内容についてですが、私は民法と経済原論、数的処理から始めました。その後、憲法、行政法を始めて、この5科目をひととおり終えた頃から、専門科目の残りのもの(行政学、政治学、社会学など)と教養科目の残りのもの(文章理解、英語、歴史、地理、思想など)に取りかかりました。
勉強を始めてすぐの頃は覚えることすべてが新鮮で楽しいのですが、私がいちばん辛かったのは1カ月目から2カ月目の間の頃、4月頃だったと思います。「こんなに勉強しているのに、何も身についた気がしない」と、参ってしまったのです。しかし、2カ月が過ぎた頃から、少しずつ自分の中に身についてきたものを感じることができるようになって(具体的には問題集に正解することができるようになってきて)、頑張ってみようかな、という気になってきました。5月の初め頃に両親に「今年は無理だと思う。」ということを言って、(これから弱気なこと、マイナスなことは言わない、)と決めてからは、周囲の人があきれるほど脳天気に振る舞うようになりました。実際、1次試験までは「地方上級は無理だろうな、運良く国家に受かったらいいな、でも両方ダメだったら来年は県に絶対受かるように1年間みっちり勉強しよう。来年受けるにしても今年をいい加減にしていたら後悔するから、それだけはやめよう、今年は今年で最善を尽くそう」という気持ちでした。私はもともと地方上級(私の場合は地元の島根県)が第一志望でしたが、募集人数が半減したことによって、倍率が40倍近くまで上がってしまって、新聞でそれを見た私は(あらー、これはだめだわ)と思い、どちらかというと国家2種に向けた勉強をするようになりました。
地方上級と国家2種は、地方公務員と国家公務員という大きな違いがあるわけですが、試験だけに限って言えば、その違いは科目数の違いです。地方上級の試験は若干差はありますが、ほとんどが必須問題で、選択問題はわずかです。国家2種の試験は出題される十数科目のう6科目を選択して答えます。私は時間が足りなくて、地方上級の必須問題である刑法と労働法にはまったく手をつけないままでした。
勉強方法は本当に人それぞれで、各人が自分に一番合ったやり方をやるのが良いと思います。私が気をつけていたのは、5月、6月になってからは一日になるべくたくさんの科目に手を着けるようにするということです。就職浪人をして多くの時間をかけて勉強している人もいますので、現役の限られた勉強時間でその人たちと勝負しようと思ったら、大事なところだけ、ポイントを押さえて勉強するほかないのではないかと思います。
特に民法や経済原論は複雑で難しい分面白さもあって、ついつい深入りしてしまいそうになったのですが、それはまた試験に受かってから好きなときにできますので、試験までは広く、浅く、を心がけた方がよいと思います。
私がひとつ気をつけるべきだったなあ、と思っているのは、国家2種の方の、選択科目をどうするか、ということです。私は時間の余裕がなかったため、ぎりぎり6科目だけ勉強していたのですが、当然選択しようと思っていた経済原論の問題がさっぱりわからず、急遽、英語を選択することにしました。経済原論は絶対に選択しようと思っていたため、問題を見ることなく後回しにしていたので、試験の時間がかなり経ってから「どうしよう、さっぱりわからない、英語を取ろうか、どうしよう」と焦るはめになってしまいました。国家2種の専門問題の選択はできれば2科目くらい余裕を持って、多めに勉強しておくのがよいのは言うまでもありませんが、その余裕がなかった場合でも、最初に問題全体を見てどれを選択するか決めた方がよいと思います。私は経済に一番時間をかけて勉強していたので、それを取らなかったのはショックでしたが、一問も解けないのでは仕方ありませんから。
集団討論は特に対策をしないまま臨みましたが、これも対策(練習)をしていない、という人がほとんどなので、気にしないでよいと思います。討論時間は60分、テーマは少年犯罪について、でした。最初に参考資料として、統計や問題点をまとめたプリントを渡され、10分ほど各自で読み、その後1人1分ずつ意見を述べ、それから討論をスタートしました。小学校の時の学級会のような感じで、とても楽しかったです。それと、司会になるかならないか、ですが、私はならなくて正解だったと思います。司会者になると、自分の意見を自由に述べられなくなるからです。しかし、司会になった人の隣の席だったこともあって、なるべく司会者を補佐するようにしました。
そして、6日から26日までの間に11の官庁をまわりました。その間に、国家2種2次試験(面接)があります。これは、面接の直前に書く面接カードに沿って、質問されるというもので、県の面接にくらべると和やかムードで楽でした。しかし、別の日に受けた人は「とても厳しい面接官でいろいろ突っ込んで訊かれた」と言っていたので、面接官によるのかもしれません。
官庁訪問では、こちらの質問によって次に呼んでもらえるかどうか決まるようです。が、これも一概には言えないようで、来た人は全員に最終面接の声をかける、というところや、訪問していない人にも電話をかける、というところもあるようです。官庁訪問の頃になるとたくさんの人と友達になると思いますので、情報交換をしましょう。官庁の方はせっかく時間を割いてくださるのですから、その時話題になっていることなどから、自分の本当に知りたいことをどんどん質問するとよいと思います。
8月30日、県の最終合格発表があり、9月のはじめに国家2種の合格発表がありました。運良く両方受かっていましたので、最終面接に声をかけていただいた官庁に断りの電話をして、活動は終わりました。
試験勉強も、官庁訪問も、大変だと思ってしまうと本当に大変になるので、あまり大変がらないで、なるべく楽しむ気持ちでやっていました。時間にゆとりは全くなかったのですが、気持ちは焦らないように、と思っていました。夏が近づけばいやでも気持ちは追い込まれていきますので、なるべく気楽に、気楽にやるのがよいのではないかと思います。 やるべき事は誰にも同じだけのしかかっているので、同じやるなら気持ちよく、楽しくやった方がよい、と思っています。
みなさんのご健闘をお祈りしています。頑張りましょう。私も、頑張ります。