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☆ 就職活動を楽しもう☆

山元一作(文化交流論・男)
mailto:isk@m3.kcn.ne.jp

【私の就職活動先(実際に足を運んだ会社のみ記載)】

○エレコム、△コクヨ、△タカラスタンダード、×P&G、△富士通テン、△リコー、×日本IBM、×松下電器、△松下電工、△NEC、△NECソフトウェア関西、△富士通関西システムズ、△日立システム&サービス、▲NAisIS、×MIT、▲日本コントロールシステム、▲ベンチャービジネス研究所、△Jフォン西日本、×ドコモ関西、△フェリシモ、△リクルート、▲ECC、△インテリジェンス、▲日本総研、▲大和総研
※○内定、△途中で辞退、▲セミナーのみ、×途中で落選

【喋り好きの就職活動】

 私は、人と喋るのが大好きです。自分の言いたいことを相手に分かってもらう、相手の話を理解する、自分の話が相手に影響を与える、相手の話が自分に影響を与える……。ですから、就職活動の面接の時も、「喋り」を楽しみまくりました。では、どうすれば面接で喋りを楽しむことができるのでしょうか?

グループ面接の時、こんな人がいました。

面接官:「あなたの大学時代の経験について話してください。」
学生Aさん:    「はい。私は、大学3年生の時に1年間イギリスに留学しました。留学の目的は、英語力を身につけることと、いろんな人に出会って、いろんな経験をして、自分の視野を広げることでした。そして、留学のおかげで、人と出会う楽しさを知りました。その経験を通じて、御社で営業職として頑張っていきたいと思います。」

さて、どうでしょう?こんなこと喋って楽しいんですかね?[留学 ⇒ 出会い ⇒ 営業]って、「なんて単純かつウソっぽい!」と、私は思いました。横で聞いてて笑いそうになってしまいました(失礼ですが……)。

 Aさんは、「面接では留学経験などをアピール」っていうマニュアル的な思考にとらわれてしまってるんだと思います。「喋りたいこと」じゃなくて「喋るべきこと」を喋ろうとしてる。結果、ぜんっぜんおもしろくない。せっかく留学なんて貴重な経験をしてるのに!

 留学して楽しかったことや考えさせられたこと、勉強になったことなど、喋りたいことはいっぱいあるはずです。友達や家族に喋るときは、そういうことを喋るはずです。ちなみにAさんは、この後も「留学の経験を活かして」を連発していました。でも、どんな「経験」をしたのかということは一言も喋りませんでした。

【経験をしよう】

 「Aさんの留学」は、「経験」なのでしょうか?Aさんのような喋り方では、単に自分の行動(留学したという事実)を説明しているだけで、自分自身の「経験」を語っているとは言えないのではないかと思います。

 例えば、「昨日始めて車を運転したんだよ」という話は、単なる事実説明です。これだけでは、語り手の個性は全く見えてきません。そこに、「やっぱり大学生の間に免許は取っておくべきだと思って……」「最初は怖かったんだけど、30分くらい乗ってるうちにすごく楽しくなってきて……」「あんな大きな鉄のかたまりが動くなんてすごいよね、どういう仕組みなのかな……」「でも、一人で乗るとしたらすごくムダだよね?公害問題とか考えても……」っていうような話がくっついて、初めて自分自身に特有な「経験」を語っているということになるんです。

 つまり、就職活動では、過去の出来事や行動という事実から「自分が何をどう考えたのか」という主観的・個別的な説明を含む「経験」を喋ることが大切なんです。だって、自分の個性を表現するために喋るわけでしょ?ただ「イギリスに1年間留学した」ってだけなら、履歴書に一行書けばすむ。

 付け加えるなら、そもそも何故その経験をすることになったのか、その経験から得たことをこれまでどのように活かしてきたのか、今後どう行かしていこうと思っているのか、なんてことも大切です。

【脱マニュアル】

 Aさんの例でも分かるように、「マニュアル的な思考」に縛られていると喋りたいことが喋れなくなってしまいます。「こんなことを聞かれたらこう答えなければ」というマニュアルは、捨てたほうがいい。ゼミの時に話すように、食堂で友達と喋るように、自分が考えてることを喋ればいいんです。そうしないと、自分に合った会社なんて見つかりませんし、就職活動がただの苦行になってしまいかねません。自分が考えている通りに喋って落とされたら、「その会社とはソリが合わなかったんだ」と思えばいいんです。

【最後に】

 お気づきかもしれませんが、私がここに書いてきたことは、ひとつの「マニュアル」に過ぎません。私の経験をもとに書いているのであり、みなさんに合うものかどうかはわかりません。そもそも、「人と喋るのはあんまり好きじゃないの」っていう人にはなんの役にも立ちません。

 就職活動の楽しみ方は、他にも沢山あると思います。ここに書かれていることを鵜呑みにして「そういうふうに考えればいいんだ」と思うのではなく、自分で考え、自分なりのマニュアルを作り上げていってください。そして、就職活動を思う存分楽しんで下さい。なお、具体的な体験談などを聞きたいという方は、メールででもご連絡ください。

(2001年秋)