科目分類 専門科目 開講年次 2・3・4年
申請コード C049 開講区分 前期
開講科目名 現代アメリカ論 曜日・時限 水4
主担当教員 安岡 正晴 単位数 2

授業のテーマと目標 世界の政治経済に圧倒的な影響力をもつアメリカ合衆国が抱える様々な政治的・社会的問題とその背景、および合衆国と国際社会との関係をできるだけ体系的に概観します。2009年、多くの期待を背景にオバマ民主党政権が誕生しましたが、核軍縮、医療保険改革、アフガニスタン増派、金融危機など困難な課題は山積しており、今年11月に行われる中間選挙で民主党が多数派を維持できるか否かは微妙な情勢です。オバマ政権は直面する課題にどのように取り組んでいくのでしょうか?巨大移民国家であるアメリカは内部に多数の「異文化」を抱えており、世界戦略を構想することなくして、国内を統治することもできない状態にあります。そうしたアメリカ社会の今日の姿を、日本を初めとする他の先進デモクラシー社会と比較しながら、最新データと理論研究を通じて明らかにしてゆきたいと思っています。
授業の概要と計画 第1部 マイノリティから見たアメリカ社会
1. オバマ政権の誕生とアフリカ系アメリカ人
2. 日米関係と日系アメリカ人
3. ヒスパニックが変えるアメリカ社会
4. 社会的マイノリティ(障害者、同性愛者)の権利運動と政策
第2部 アメリカン・パワーの担い手たち
1. オバマ政権の1年半の成果と課題
2. アメリカ軍の再編と普天間基地移設問題
3. 世界金融危機以後のアメリカ経済
4. 斜陽化する新聞と新しいメディアの担い手
第3部 アメリカ社会の争点と実像
1. 変貌する家族、男女関係
2. キリスト教保守派と青少年の「モラル」
3. 犯罪、銃、ドラッグ規制への取り組みと現状
第4部 アメリカと世界
1. イラク戦争以後のアメリカの中東外交
2. G2時代の米中関係と東アジア国際秩序
3. 米欧、米ロ関係の紆余曲折
成績評価方法と基準 客観式の中間試験 30%
論述式の期末試験 50%
授業中のレスポンス・カード 20%
を総合して評価します。
履修上の注意(関連科目情報等を含む) 今年度は、国際文化学部生のみ履修可とします。
オフィスアワー・連絡先 研究室 E409
E-mail m-yasuoka@hotmail.co.jp
学生へのメッセージ アメリカを無批判に礼賛する人はほとんどいなくなりましたが、感情的で抽象的な批判をしている人は大学でも少なくありません。等身大のアメリカ像はどれだけ日本で理解されているでしょうか?この講義では悩みも抱え、能力的にも限界がある「普通の国」アメリカが数々の難題にどのように取り組んでいるのかを学ぶことを通じて、日本の社会と政治の今後のあり方を考える材料としてゆきたいと思います。
テキスト
参考書・参考資料等 堀本武功『現代アメリカ入門』明石書店、2004
久保文明・砂田一郎・松岡泰『アメリカ政治』有斐閣、2006
矢口祐人・吉原真里『現代アメリカのキーワード』中公新書、2006
水野和夫『金融大崩壊:「アメリカ金融帝国」の終焉』NHK出版、2008