授業のテーマと目標 |
「オバマ政権下のアメリカの行方と世界」
本講義では、世界の政治経済に圧倒的な影響力をもつアメリカ合衆国が抱える様々な政治的・社会的問題とその背景、および合衆国と国際社会との関係をできるだけ体系的に概観したい。2009年、多くの期待を背景にオバマ民主党政権が誕生したが、核軍縮、医療保険改革、アフガニスタン増派、金融危機など困難な課題は山積しており、今年11月に行われる中間選挙で民主党が多数派を維持できるか否かは微妙な情勢である。オバマ政権は直面する課題にどのように取り組んでいくのか?巨大な移民国家であるアメリカは内部に多数の「異文化」を抱えており、世界戦略を構想することなくして、国内を統治することもできない状態にある。本講義ではそうしたアメリカ社会の今日の姿を、日本を初めとする他の先進デモクラシー社会と比較しながら、最新データと理論研究を通じて明らかにしてゆきたい。 |
授業の概要と計画 |
1. オバマ政権の1年半と直面する課題 2. アメリカ政治における大統領 3.
連邦議会と共和党・民主党 4. 連邦最高裁判所の政治的役割 5.「対テロ戦争」とアメリカ軍のトランスフォーメーション(世界的再編)
6. 世界金融危機以後のアメリカ経済 7. 犯罪、銃、ドラッグ規制への取り組みと現状 8. 人種差別撤廃政策の展開と問題点 9
国連とアメリカの外交政策 10. アメリカの中東外交とイラク戦争・アフガン戦争 11. G2時代の米中関係と東アジア国際秩序 12.
米朝・米韓関係の展開と課題 13. 米ロ関係と米欧関係の展望 14. 中南米とアメリカ 15. 日米関係の展望 |
成績評価方法と基準 |
授業中の発言、コメントカード:期末レポート=40%:60%の割合で総合して評価する。 |
履修上の注意(関連科目情報等を含む) |
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オフィスアワー・連絡先 |
月、水、金の昼休み (その他は要予約 yasuoka@kobe-u.ac.jp)
研究室 E409 |
学生へのメッセージ |
政治というナマモノを扱うので日ごろからニュースや新聞に関心をもって、授業で習ったことを自分でもフォローしてほしい。 |
テキスト |
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参考書・参考資料等 |
砂田一郎『オバマは何を変えるか』岩波新書、2009
久保・松岡・砂田・森脇『アメリカ政治』有斐閣、2006 久保文明編『アメリカの政治』弘文堂、2005
佐々木卓也編『戦後アメリカ外交史(新版)』有斐閣、2009
石井修・滝田賢治編『現代アメリカ外交キーワード』有斐閣、2003 |