英語推薦辞書・参考書


1.辞書

大学の初学年のうちに、長い間使えるような英和、英英、和英辞典を揃えることをお勧めする。
まず英和辞典では、
松田徳一郎編『リーダーズ英和辞典』第2版、研究社、1999年(7600円)三省堂編修所編『グランドコンサイス英和辞典』三省堂、2001年(8000円)が大学4年間のみならず社会人になっても、英米の新聞雑誌、専門書、専門論文を読むのに十分使えるのでお勧めできる。高校生までの英和辞典より詳しいこうした英和辞典を使ってほしい。
和英辞典については、一押しのものはないが、さしあたって
近藤いね子・高野フミ編『プログレッシブ和英中辞典』第三版、小学館、2001年(3200円)をお勧めする。実際に英語を書く場合は、あわせて英英辞典を参照していただきたい。

英英辞典もいろいろ出ているが、一番使いやすいと思われるのは紀伊国屋書店から発売されている、『コウビルド英英辞典(第3版)』Cobuild English Dictionary for Advanced Learners (ISBN 4-87738-113-9, \3,800、原書は、ISBN 0-00-710201-1)である。
セカンドベストとして
A.S. Hornby and Sally Wehmeier ed.Oxford Advanced Learner's Dictionary of Current English(U.S. 定価: $22.95 価格(税別):2800円 ペーパーバック (2000/04) Oxford Univ Pr (Sd) ; ISBN: 019431510X )かThe American Heritage Dictionary  ペーパーバック 4th ed.(2001/07/03) Dell Publishing Company ISBN: 0440237017(U.S. 定価: $5.99 円相当額: ¥799) をお勧めする。英英辞典は各人の英語力に応じて使いやすいものを選ぶのが望ましいので、洋書を扱っている大型書店で実際に、いくつかの語を引いてみて、自分にとって定義がわかりやすいものを選んでほしい。

英単語の使い分けについて知るには、シソーラス(同義語辞典)の活用が不可欠だが、ただ同義語を羅列するのではなく、どういう文脈で使うかを明記してある辞書が望ましい。例えば
Addison Wesley Longman. Longman Language Activator. U.S. 定価: $47.40 価格(税別): ¥5,801(1993/06) .Addison Wesley Publishing Company ; ISBN: 0582040922 は、引くだけでなく読んでいても面白い辞書でお勧めである。

さらに米語の口語・スラング・会話的イディオムなどを調べるのには、Richard A. Spears, ed. NTC's Dictionary of American Slang and Colloquial Expression. 3rd ed.(2000/07) .NTC Publishing Group ; ISBN: 0844204625 (U.S.$14.95 円相当額: ¥1,830) が非常に便利。この辞書を使いながら、アメリカの映画やテレビドラマを見ると、かなり会話のリスニング力を向上させることができるだろう。

また有斐閣から出ている、『教育心理学小辞典』、『現代政治学小辞典』、『国際法辞典』、『社会学小辞典』、『心理学小辞典』、『法律学小辞典』、『有斐閣 経済辞典』、『有斐閣 法律用語辞典』などの英文インデックスがついている、ハンディな専門用語辞典もそれぞれの専門分野に併せて一冊、一回生のうちに買っておくと、大教英語から専門課程の勉強まで通して使えるので便利である。

電子辞書
について

最近は紙の辞書よりも携帯に便利でひきやすい電子辞書を使う学生が多くなった。電子辞書はSII(セイコー)、ソニー、SHARP、カシオ、キャノンなどのメーカーから出ているが、「ジーニアス英和・和英辞典」(大修館書店)か「新英和・和英中辞典」(研究社)を搭載しているモデルが大多数である。しかしこれらは高校英語レベルの辞書で、大学レベルの英語教材や、英米の新聞・雑誌、文学、研究書などを読むのには不十分である。電子辞書を選ぶ際も上に挙げた『リーダーズ英和辞典(第2版)』研究社、『グランドコンサイス英和辞典』三省堂、クラスの上級辞典を搭載したものを購入してほしい。現在の各社のカタログによると以下のモデルがこの二つの辞典のいずれかを搭載したモデルである。

SII(セイコー):  SR9200、SR9200R
ソニー: DD-IC500S、DD-IC5000
SHARP: PW−6800

なおカシオとキャノンはこのクラスの辞書を含んだモデルを現在販売していない。

携帯用でなく自宅パソコンにインストールして使う辞書としては、安価で収録語数の多いEDP編『英辞郎』アルク(ISBN: 4757405707 ¥1800)が訳語・訳例が豊富でお勧めである。


2.英語に関する推薦図書など

日本人の英作文に共通する文法上の問題点を判りやすく指摘した、マーク・ピーターセン『日本人の英語』岩波新書をぜひ一読してほしい。日本で出ている(特に高校までの英文法書で)冠詞、定冠詞の使い方について、わかりやすく説明した本はほとんどないが、この本はかなりわかりやすく説明している。同じ著者の続編に『続・日本人の英語』、『心にとどく英語』(どちらも岩波新書)などがあるが最初の本が一番、文法について参考になる。またA.J. Thomson and A. V. Martinet ed. A Practical English Grammar.,4th edition (January 1987) Oxford Univ Press; ISBN: 0194313425 (U.S. $15.95) も辞書代わりに使えるわかりやすいハンディーな英文法書としてお勧めしたい。やや高価だが、詳細でかつ実用的な文法書としてマイケル・スワン著(吉田正治訳)『オックスフォード実例現代英語用法事典(改訂最新版)』研究社出版/オックスフォード大学出版局、2000年(5200円)も一冊もっていると便利。高校までの英文法学習にウンザリしている人も少なくないと思われるが、英語を読み書き話すためには使える正確な文法知識が不可欠である。英語の実用文法をクイズ形式で(比較的)楽しく勉強できる参考書は、

Grammar Smart : A Guide to Perfect Usage (Princeton Review Series Princeton Review編集) U.S. 定価: $12.00円相当額: ¥1,600 ペーパーバック - 256 p / 2nd ed. (2001) Princeton Review ; ISBN: 0375762159 である。TOEFLなどの試験対策にも有効である。

英語で論文や報告原稿、スピーチを書く場合参考になる本として、杉原厚吉『理科系のための英文作法』中公新書木下是雄『理科系の作文技術』中公新書をお勧めしたい。どちらも「理科系」というタイトルだが、ロジカルな文章を書く必要のある、社会科学系の人にも有益である。前者は、既知の情報を先にもってくる、といった誤解のない英文を書く方法を具体的に指摘している。この本を読むと、会話の際もロジカルな発言ができるようになるのではないだろうか?後者はかならずしも英語の本ではなく、やや内容が古くなった面もあるが、パラグラフを中心に明晰で論理的な文章を書く方法が示されており、英語、日本語のいずれで論文を書く場合にも役に立つので一読されたい。また英語で論文を書く必要がある理工系や社会科学系の諸君には、崎村耕二『英語論文によく使う表現』創元社、1991がそのまま使える表現を満載していて便利である。



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