アメリカ政治システム特論演習(後期火曜4時限)

担当 安岡 正晴

               研究室A307

平成14年度のシラバスは

前期の『アメリカ政治システム特論』においては、
Civic Engagement in American Democracyを輪読し、アメリカの市民参加の現状と課題を、特に任意・市民団体の変容という観点から考察してきた。後期の特論演習においては、変容するアメリカ政治の制度的・構造的諸条件と様々な政治的社会的争点について理論と実証の両面から考察を深めていきたい。特論演習は、約半数の授業においては、論文の輪読とディスカッションを通じて、アメリカ政治と社会を議論する基本的な視座を身につけるようにしてゆきたい。残りの半数の授業は、受講者の個人研究報告により構成したい。受講者は、開講時までに広い意味でアメリカ政治に関連した研究テーマを設定し、各人1回研究報告を行なう。その場合、複数の参考文献を参照した上で、レジュメを作成し、質疑に十分応答できるように準備されたい。報告時に他の参加者から指摘された助言・批判などを参考にしつつ、期末レポート(6000〜8000字程度)を作成し、1月の最後の授業で提出することを単位取得の要件としたい。

◆日程表◆

2001

10.16   大統領−政党関係の歴史的展開                         星野

Milkis, Sidney M. 1999. “The Presidency and Political Parties.” In American Government: Readings and Cases. 13th ed, ed. Peter Woll. New York: Longman.

10.23   個人報告「南北戦争後リッチモンドにおける黒人女性の組織化と政治参加」河井

10.30   連邦最高裁とアメリカ政治                             安岡

・大沢秀介「最高裁の保守化の意味」(久保文明・草野厚・大沢秀介編『現代アメリカ政治の変容』勁草書房、1999)

・大越康夫「司法府−政治力学の中の最高裁−」(今村浩・三好陽編『巨大国家権力の分散と統合−現代アメリカの政治制度』東信堂、1997)

11.6    個人報告「アメリカの政策決定過程と利益集団」              高橋

11.13           大統領・連邦議会選挙とエンパワーメント                   宮本

・森脇俊雅「アメリカの場合−大統領・議会選挙と『分割政府』」(梅津・森脇・坪郷・後・山田共著『比較選挙政治−90年代における先進5カ国の選挙』ミネルバ書房,1998)

・大津留(北川)智恵子「『ジェンダー・ギャップ』と連邦女性議員」(久保文明・草野厚・大沢秀介編『現代アメリカ政治の変容』勁草書房、1999)

11.20    個人報告「アメリカ政治・外交における宗教的背景」         大加茂

11.27     アメリカにおけるエスノポリティックスの展開と論点            星野

・佐々木毅「エスノポリティックス」(佐々木毅著『政治学講義』東京大学出版会、1999)

・古矢旬「マルティカルチュアリズムと国民統合−一つの歴史的眺望」(長谷川晃編『市民的秩序のゆくえ』北海道大学図書刊行会、1999)

・松岡泰「アメリカ社会の変化と黒人問題の変容」(五十嵐武士・古矢旬・松本礼二編『アメリカの社会と政治』有斐閣、1995)

12.4       個人報告「アメリカ人の対中イメージ」                      

12.11    アメリカにおける福祉・教育改革の展開                      宮本

・砂田一郎「連邦制・地方自治・立法過程−社会保障・福祉をめぐる争点対立の変化−」(藤田伍一・塩野谷祐一編『先進諸国の社会保障7 アメリカ』東京大学出版会、2000)

・椙山正弘「『危機に立つ国家』と人間形成システム」、「『目標2000年−アメリカ教育法』と人間形成システム」(椙山正弘著『アメリカ教育の変動−アメリカにおける人間形成システム−』福村出版、1997)

12.18            メディアと政治をめぐって                               劉

・藤田博司「マスメディアと政治」(五十嵐武士・古矢旬・松本礼二編『アメリカの社会と政治』有斐閣、1995)

・河田潤一「テレビ政治のアメリカ的展開−「アメリカ・モデル」の普遍性と限界」『甲南法学』第38巻3・4号、1998、265-298頁。

2002

1.8     個人報告「アメリカの公共政策におけるバイアスについて」      星野

1.15    アメリカ外交と東アジアの安全保障                        大加茂

・五十嵐武士「日米安保体制の再定義と東アジア」(五十嵐武士『日米関係と東アジア−歴史的文脈と未来の構想−』東京大学出版会、1999)

・神谷万丈「日米同盟の展望―米国の眼」『国際問題』2001年2月号

・片原栄一「米中関係と東アジアの安全保障」『新防衛論集』第28巻第1号、2000年6月

1.22    個人報告「アメリカにおけるホームレス問題−住宅問題の観点から」   宮本

1.29    アメリカの中東政策・テロ対策                    高橋

宮田律「アメリカの中東政策」(五味俊樹・滝田賢治編『現代アメリカ外交の転換過程』南窓社、1999

フォアド・アジャミー「中東世界でのアメリカの孤独」(Foreign Affairs, November/December 2001、日本語版『論座』200112月号、朝日新聞社、203-217頁)

2.5     期末レポート締切

アメリカ政治システム特論・特論演習・復習テスト


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