アメリカ政治システム特論(前期)平成14年度 火曜日4時限
<講義の目標>
建国期以来、アメリカ合衆国が草の根デモクラシーと連邦共和国をいかに両立させ、大規模デモクラシーを実践してきたのかを、政治、経済、社会の諸側面から総合的に検討する。特に市民の政治参加、コミュニティ生活、アメリカ連邦制度の理念と実際、世論とマスメディア、福祉・教育・環境政策の形成と実施過程における政府・非営利団体(NPO)・コミュニティ、司法の政治的、社会的役割などのテーマを取り上げて考察する。
平成14年度前期は下記の日程で行なう予定である。前期の「アメリカ政治システム特論」においては、アメリカの政治制度、政治過程、政治文化についての基本的な理解を深め、現代アメリカ政治についてバランスのとれた議論を展開できるようにしたい。前期の「アメリカ政治システム特論」は主として連邦政府の政治制度と政治過程を対象とし、州・地方レベルの政治制度や政治過程、アメリカ連邦制、教育政策、社会政策、都市政策などの各政策領域については、後期の「アメリカ政治システム特論演習」で取り上げる予定である。
<平成14年度前期の講義日程とリーディング・アサインメント>(報告担当者)
4.16
1.オリエンテーション & 比較の視座から見たアメリカ政治システム(1)(安岡)
4.23
2.比較の視座から見たアメリカ政治システム(2)(佐野)
・Ranney, Austin. 2000. “Politics in the
United States.” In Almond, Gabriel, G. Bingham
Powell, Jr. et al, eds. Comparative Politics Today: A World View, 7th ed. New York: Longman.
4.30
3.アメリカ市民社会論(安岡)
・古矢旬「日本の市民とアメリカの市民−『比較市民文化論』のこころみ−」(今井弘道編『「市民」の時代−法と政治からの接近−』北海道大学図書刊行会、1998)
・紙谷雅子「現代アメリカにおける公私観念の転換−フェミニズムからの挑戦」(佐々木毅・金泰昌編『公共哲学4 欧米における公と私』東京大学出版会、2002)
5.7
4.市民参加の現状と課題 (河崎)
・Putnam, Robert D. 1995. “Tuning In, Tuning
Out: The Strange Disappearance of Social
Capital in America,” PS: Political Science & Politics. Vol. 28, No. 4.
・Schudson, Michael. 1995. “What If Civic
Life Didn’t Die?” The American Prospect 25.
5.14
5.政治参加のパターンと問題点(大村)
・Verba, Sidney, Kay L. Schlozman, and Henry
E. Brady. 1995. "The Participation Process
and the Sources of Representational Distortion."
In Voice and Equality: Civic Voluntarism in
American Politics. Cambridge, MA: Harvard University Press.
5.21
6.大統領制の変容(星野)
・Jones, Charles O. 1999. "The Presidency
in Contemporary Politics." In Separate But Equal Branches: Congress adn
the Presidency, 2nd ed.New York: Chatham House Publishers.
5.28
7.連邦議会と政党政治(安岡)
・Loomis, Burdett A. 1998. “Partisanship,
Individualism and the Contemporary Congress.”
In The Contemporary Congress. 2nd ed. New York: St. Martin’s Press.
6.4
8.連邦最高裁(佐野)
・大沢秀介「最高裁の保守化の意味」(久保文明・草野厚・大沢秀介編『現代アメリカ政治の変容』勁草書房、1999)
・上坂昇「最高裁判所」(阿部斉編『アメリカの政治−内政のしくみと外交関係』弘文堂、1992)
6.11
9.行政と官僚制(星野)
・Stillman II, Richard J. 1996. “Inside Public
Bureaucracy” In Stillman II, Richard J.
ed. 2000. Public Administration: Concepts and Cases. Boston: Houghton Mifflin.
6.18
10.政党制の変容(大村)
・五十嵐武士「政治過程の構造的変容―共和党の多数党化」
・田中愛治「無党派層の増加と政党編成−1960年代中頃以降の政党帰属意識の変動」
(両論文とも久保文明・草野厚・大沢秀介編『現代アメリカ政治の変容』勁草書房、1999所収)
6.25
11.利益集団と利益政治(佐野)
・久保文明「アメリカ政治における公共利益団体」(久保文明『現代アメリカ政治と公共利益−環境保護をめぐる政治過程』東京大学出版会、1997)
・内田満「シニア・パワーの台頭」(内田満『変貌するアメリカ圧力政治−その理論と実際』三嶺書房、1995)
7.2
12.世論とメディア(河崎)
・飽戸弘「アメリカ大統領選挙と国民の政治参加−メディアの功罪」『マス・コミュニケーション研究』59、2001
・G・E・ラング=K・ラング(荒木功他訳)『政治とテレビ』松籟社、1984より抜粋
7.9
13.市民的権利とアメリカ政治(綿岡)
・Estrich, Susan R. and Kathleen M. Sullivan.
1989. “Abortion Politics: The Case for the
Right to Privacy.”
・Bopp, James, Jr., and Richard E. Coleson.
1992. “Abortion on Demand Has No Constitutional
or Moral Justification.”
(両論文とも Diclerico, Robert E. and Allan S. Hammock,
eds., 2001. Points of View: Readings in American Government
and Politics, 8th ed. Boston: McGraw-Hill 所収)
7.16
David Katzman 教授講演会 「知の構成ー21世紀の大学における学際的研究の位置ー」(Structuring
Knowledge: Finding a Place for Interdisciplinary
Work in the 21st-Century University) に振り替え。
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