アメリカ政治システム特論演習(後期 火曜4時限)   
                                          安岡正晴

前期の「アメリカ政治システム特論」では、合衆国の政治制度と政治過程の基本構造について様々な角度から議論してきた。後期の「特論演習」においては、その応用編として、アメリカの各政策領域や外交政策、さらには州・都市政治について考察し、前後期を通じて現代アメリカ政治の全体像を体系的に把握できるようにしたい。特論演習では、約半数の授業では、論文の輪読とディスカッションを行ない、残りの半数の授業は、受講者の個人研究報告により構成したい。受講者は、開講時までに広い意味でアメリカ政治に関連した研究テーマを設定し、各人1回研究報告を行なう。その場合、複数の参考文献を参照した上で、レジュメを作成し、質疑に十分応答できるように準備されたい。報告時に他の参加者から指摘された助言・批判などを参考にしつつ、期末レポート(6000〜8000字程度)を作成し、学年末(1月28日午後5時締切)までに提出することを単位取得の要件としたい。

<平成14年度 授業日程(予定)>
平成13年度の講義内容

1.   アメリカ外交

10/1  ポスト9.11のアメリカ外交(綿岡)

・神谷万丈「国際的反テロ連合の構築−9.11テロ後の米国外交」
・加藤朗「単独行動主義への回帰−9.11テロと対外政策の展開」
(両論文とも『国際問題』2002年2月号掲載)

10/8 日米関係の変容と展望(佐野)

・     スティーヴン・K・ヴォーゲル「五十歳を迎えたサンフランシスコ体制」、
・     マイケル・グリーン「1章 力のバランス」
・     スティーヴン・K・ヴォーゲル「日米関係はどこに向かうのか?」
(いずれもスティーヴン・K・ヴォーゲル編著・読売新聞社調査研究本部訳『対立か協調か−新しい日米パートナーシップを求めて』中央公論新社、2002所収)

10/15 21世紀の米中関係


・     国分良成「東アジア安全保障と日米中」『国際問題』2000年1月号
・  ロバート・D・ホーマッツ、エリザベス・エコノミー、ケビン・ニーラー「中国のWTO加盟と米中関係の行方」『論座』2002年1月号、朝日新聞社

10/22 個人報告 1 「『心の習慣』、『善い社会』−アメリカ個人主義批判」(河崎)

2.   アメリカにおける連邦制と州・都市政治

10/29 アメリカにおける地方分権と郊外政治

・     土岐寛「アメリカの地方分権−分権の風土に基づく多様な自治の政治」(藤岡純一・自治体問題研究所編『地域と自治体第23集 海外の地方分権事情』自治体研究社、1995)
・     平田美和子「現代政治における中産階級−郊外住民の政治傾向−」(平田美和子『アメリカ都市政治の展開−マシーンからリフォームへ』勁草書房、2001

11/5 アメリカ連邦制下での政府間関係−テキサス州を例として−


・Gibson, Jr., L. Tucker and Clay Robinson. 2002. “Intergovernmental Relations” In Gibson, Jr., L. Tucker and Clay Robinson. 2002. Government and Politics in the Lone Star State: Theory and Practice. Upper Saddle River, NJ: Prentice Hall.

11/12 個人報告 2 「アメリカのユダヤ系移民について」(綿岡)

11/19 多文化主義とアメリカ国家

・     井上達夫「多文化主義の政治哲学−文化政治のトゥリアーデ」(油井大三郎・遠藤泰生編『多文化主義のアメリカ−揺らぐナショナル・アイデンティティ』東京大学出版会、1999
・     神定修一「多文化主義と統合主義−思想史的考察」『アメリカ研究』35号、2001


3.   アメリカの公共政策の諸相

11/26 大都市における人種差別と公民権政策の展開(綿岡)

・     セオドア・ロウィ「連邦の都市政策−人種差別政策についてなにをしてはならないか、また何をしなければならないか」(セオドア・ロウィ著・村松岐夫監訳『自由主義の終焉−現代政府の問題性』木鐸社、1981)
・     ジョージ・ガルスター「都市と人種差別」(アーバン・インスティテュート著・下河辺厚監修・東京海上研究所編訳『都市問題の政策科学−アメリカにおける大都市の安心の条件』東洋経済新報社、1996)

12/3 <休講>

12/10 個人報告 3 「日本人移民に関する米布日の政治的背景−歴史をたどって」(佐野)

12/17 社会福祉をめぐる論争と政治(河崎)

・     古川孝順「社会保障の歴史的形成」(藤田伍一・塩野谷祐一編『先進諸国の社会保障Fアメリカ』東京大学出版会、2000)
・     ジョージ・ガルスター「都市の貧困問題と社会的合意の変遷」(アーバン・インスティテュート著・下河辺厚監修・東京海上研究所編訳『都市問題の政策科学−アメリカにおける大都市の安心の条件』東洋経済新報社、1996)

12/24 教育政策の問題点と新展開(大村)

・     ポール・T・ヒル「都市の公教育と政策研究」(アーバン・インスティテュート著・下河辺厚監修・東京海上研究所編訳『都市問題の政策科学−アメリカにおける大都市の安心の条件』東洋経済新報社、1996)
・     鵜浦裕「チャーター・スクールとその舞台−カリフォルニア」(鵜浦裕『チャーター・スクール−アメリカ公教育における独立運動』勁草書房、2001)

1/14 個人報告 4 「ブレア政権の『第3の道』と教育改革−アメリカ合衆国との比較を踏まえて−(大村)

1/21 環境政策とアメリカの政治イデオロギー

・     久保文明「環境保護政策の変容と政治変動−1960年代から1990年代へ」(久保・草野・大沢編『現代アメリカ政治の変容』勁草書房、1999)

1/28(火)午後5時−レポート提出締切(安岡研究室A307)


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