世界の秘境で日本料理(TBS)
2017年6月30日放送
今回の放送では、ヴァヌアツ共和国が選ばれる。秘境というからどこが選ばれたのか興味があったが、なんと首都のあるエファテ島のある村落が選ばれている。その村がマンガリリウ村。
ヴァヌアツの都市部では、タクシーのようにこちらの目的地まで走って降ろしてくれる乗り合いバスが多数走っているが、この番組の撮影スタッフはこれに乗り込んで出発。2時間走ったとろこで、この先は走れないからと歩くことに、そして1時間後、ようやく目的のマンガリリウ村に到着する。そこは、電気、ガス、水道のない秘境。裸の男たちがダンスをして出迎える。
ところが、村を上空から移した映像をみてびっくり。秘境と言うからには、サゴヤシで拭いた屋根、竹で編んだ壁を持つ伝統的な家々がならんでいる所だろうと思ったが、ほとんどの言えばトタン屋根のモダンな家。それもそのはず、マンガリリウ村は、実は、首都のポートヴィラから車で20分ほどのところにある首都近郊の村で、バスで2時間、歩いて1時間は、まったくの嘘。裸の男がダンスをして出迎えるのは、観光客向けだろう。というのも、この村には、なんと
Air B&Bの民宿があり、そこでは電気もついているのだ。
いくら秘境を演出したくても、そして「辺境」の島に時間か予算の都合でいけなかったとしても、こんな嘘はいけない。
村ではキャッサバイモばかりの料理が伝統料理という紹介があるが、映像にある調理されている芋は、どうみてもキャッサバではなくタロイモ。さらに首都に近いので、米やおそらくはパンなども簡単に入手できる。調味料も塩だけということになっているが、首都から遠く離れた離島でもカレー粉が売られている。首都のごく近くのこのマンガリリウ村に、塩以外の調味料がないわけがない。人々の服装から考えても、現金収入のある人々であることは一目瞭然である。そこを秘境というのは無理がある。
料理人は現地の食材でがんばって面白い料理をつくり、人々がそれまで食べたこともないような調理をしているのだから、このようなばかばかしい嘘がこの番組の価値を下げているとしか言いようがない。