資料2

主要人物:バーブ(門)、バハオラ=バハ・ウッラー=ミールザー・フサイン・アリー
     アブドル・バハ=アッバース・エフェンディ、ショーギ・エフェンディ

○バーブ教

  ○セイエド・アリー・ムハンマド
  ○1844年、自らが隠れイマームへのバーブ(門)であると宣言。
  ○シーア派の改革、両性の平等、政治・社会の再編成の必要を訴える。
  ○イスラームから完全離脱し、積極的な布教をするため政府と戦う
  ○1848年から2年間、イラン各地で武装蜂起。イラン政府と抗戦。
   50年にバーブが処刑された後も続き、
   52年、2人のバーブ教徒が国王暗殺を企てる。これを機に、政府側の弾圧と迫害。
   4万人のバーブ教徒が犠牲になったとされる。
  ○基本教理:神は唯一にして、バーブは神が映し出される鏡であり、何人も
   バーブに神を見ることが出来る。

○大聖約

聖約とは一般的には、契約という意味である。宗教上では精神的な契約を意味し、それに忠実であればすばらしい結果が保証され、それを破れば悲劇的な結果がもたらされるというものである。過去の宗教の聖典は、その契約を守ろうと努力した人びとの生涯とそれにまつわる歴史的事件を述べたものである。初期の聖書は旧聖約、新聖約とよばれた。聖書の大部分は、モーゼまたはイエスが教えた聖約に対する義務を理解しようとつとめた人びとの年代記なのである。聖約は、人間が大教育者(神の顕示者)をとおして、神と関係をむすぶ手段である。神はつねに人間を援助し、指導してゆくと約束した。この約束は大聖約とよばれる。モーゼ、仏陀、イエス、モハメッドなどは、すべてこの大聖約を果たすために下された。おのおのの大教育者は、信者に自分のあとに出現する大教育者を受け入れるように教えた。これも大聖約のひとつの表現である。

○小聖約

聖約のもうひとつの面は、小聖約とよばれるもので、大教育者の後継者に関して、大教育者と信者が交わす契約である。大教育者が任命した後継者を受け入れれば、共同体は和合を保って発展していくが、そうでなければ分裂し、その力は弱まってしまうという約束である。この小聖約というのは、バハイの聖約を意味する。バハオラの死後、後継者としてアブドル・ババを信者が受け入れるという契約である。バハオラは、アブドル・バハを聖約の中心、バハイ共同体の和合の軸と定めた。以前の宗教制度と異なり、バハイの聖約はアブドル・バハの死後も拡大された。つまり、かれは遺訓のなかで、ショーギ・エフェンディをバハイ共同体の守護者に指定したのである。そして、かれの死から6年後の1963年には、バハオラが定めた万国正義院が設立された。万国正義院は、つぎの大教育者が出現するまで、全世界のバハイを指導してゆくことになっている。

○聖約について

「アブラハムはモーゼにかんする聖約を結び、モーゼが到来するという歓喜の知らせを告げた。モーゼは、約束されたキリストにかんする聖約を結び、キリストがこの世にやってくるという吉報を結んだ。バブは、ムハンマドによって約束された人物である、ムハンドは、その到来の知らせを告げていたのである。そしてバブは、『祝福された美』なるバハオラかんする聖約を結び、バハオラが到来するという歓喜の知らせを告げた。『祝福された美』はバブによって約束された人物なのである。バハオラは、一千年後、あるいは何千年かして顕現される約束された人物にかんして聖約を結んだ。その顕示者はバハオラによって約束された人物であり、一千年後あるいは数千年後に現れるのである。

○バハオラの新世界秩序

 全人類の和合は、現代の社会が近づきつつある段階の象徴ともいえる。家族、部族、都市国家、そして国家の統合は過去の歴史のなかで、つぎつぎと試みられ、確立された。世界の和合は、今、苦しみにあえいでいる人類が達成しようと努力している目標である。国家建設の時代はすでに終わろうとしている。成熟に向かって進んでいる世界は、偏狭な愛国主義をすてて、人類が有機的にひとつであることを認めなければならない。そして、これを人間生活の基本的原理として、もっとも効果的に、また永続的に具体化できるような機構を確立しなければならない。

1.世界連邦(国連はこの方向に向かう第一歩とみなされる)
・地上のすべての国の代表が平等に参加して設立される。
・すべての国家、民族、宗派、階級が密接にかつ永久的に結ばれる。
・各国の自治権は擁護される。
・地上に住む個人の人権は確実に擁護される。
2.世界立法部
・地上のすべての生物を調整し、維持するために必要な法律を制定する。環境法、生態学法、その他、国境をこえて対処しなければならない事 態に関する法律を 制定する。
・地上のすべての資源を管理し、あらゆる人種や民族の生活を調整し、要求をみたし、また円滑な関係を保つために必要な法律を制定する。
3. 世界行政部
・国際軍に支えられる。
・世界立法部の決議を実行し、制定された法を適用する。
・全連邦の有機的一体性を擁護する。
4. 世界裁判所
・この世界組織を構成する諸国間に起こるすべての紛争を調停し、拘束力をもつ最終的判決をくだす。
5. 世界通信機関
・人類のさまざまな意見や信念の表現に十分な機会をあたえる。
・私的、公的な既成勢力にあやつられることがなくなり、争い合う政府や民族の影響からも解放される全地球を包含する世界通信機関が案出され、驚異的な迅速さと完全な規則正しさをもって機能する。
6. 世界中心都市
・世界文明の中枢として生命の統合力が集中し、またそこからエネルギーにあふれた影響力が放出される焦点となる。
7. 世界共通語
・世界語が考案され、あるいは現存する言語のなかから選ばれ、すべての連邦国で教えられる。
・世界共通の文字が採用される。
8. 世界通貨・度量衡
・世界通貨および度量衡が採用され、国家間、民族間の交流や理解を容易にする。
9. 世界の経済的諸資源
・世界の経済的諸資源は組織化され、原料資源は開発され、十分に利用されて発展し、生産物の分配は公正に調整される。

○新世界秩序の説明(ショーギ・エフェンディ)

「国家間の争いや憎しみや陰謀はなくなり、人種間の敵対心や偏見は、親善、理解、協調にとって代わるであろう。宗教上の争いの原因は永遠に除かれ、また、経済的な障害や制限は完全に廃され、階級間の極端な格差も是正されるであろう。一方における過度の貧困と他方における所有権の極端な集中もなくなるであろう。戦争によって浪費される膨大な政治的、経済的エネルギーは、発明と技術開発の範囲を拡大するためのあらゆる機関を促進するためにささげられよう。それらの機関では、生産力の増大、疾病の撲滅、科学研究の促進、健康水準の向上、人間の頭脳の鋭敏化と洗練、地球上の未使用でまだ知られていない諸資源の開発、人間の生命の延長、全人類の知的、道徳的、精神的生活の向上を鼓舞することなどが研究されるであろう」

○文明の黄金時代 (ショーギ・エフェンディ)

「このような完成―人類の成熟期への到達―が、かつてだれも見たことも考えつきもしなかった世界文明の開始をしるすものであることを、だれが疑うことができようか。このような文明が展開して達成するように定められている高遠な基準を、だれが考えつくというのであろうか。束縛から解放された人間の知性が飛翔する高みを、だれがはかれるであろうか。バハオラから流出する栄光に満ちた光により生命力を与えられた人間の精神が発見するであろう新たな領域を、だれが心に描けるであろうか」