センター設立について

 国際文化学部が設立された当初から、異文化理解は学部の最も重要な教育・研究目標でした。国際化が叫ばれ、様々な国々の実情がメディアをとおして、簡単に、迅速に紹介される現在、異文化理解を標榜する学部は極端に増加しています。既設の学部もその例外ではありません。しかし、国際文化学部がこれらの既設の学部と異なる点は、文化というものを常に発想の基点に置いてきたということです。

 本学部では、文化というものを、人々の生活そのものの中に見出せる価値観との関連で捉えることで、より広義の文化概念を設定し、経済、政治、倫理、芸術、思想などを、こうした生活を貫く価値観との関連で捉える試みを行ってきました。

 こうした点は教員の個々の授業に生かされ、学生に文化を基点としたものの見方を提起してきました。この教育姿勢と並行する形で、本学部では、海外の大学と提携することで、学生が異文化を実地に体験しつつ勉学できる環境を作り上げてきました。海外からの留学生を迎えると同時に、本学部学生を海外に留学させることで、異なった価値観を持った者同士が語り合い、勉学する場を提供してきたのです。

 一方、研究面においても、「異文化」はキーワードとなり、国際文化学部は異文化研究の拠点として大きな成果をあげてきました。個々の教員の研究成果だけではなく、プロジェクト形式による共同研究においても、広義の文化概念から捉えられた異文化研究が活発に展開されてきました。

 こうした現状を見据え、これら教育・研究両面にわたる本学部の特徴をより発展させるために、それらを統合した研究組織を学部の付属施設として立ち上げることが、必要であると考えるに至った次第です。

2007年度より当センターは国際文化学研究科所属となっております。また、2008年度より地域連携部はアートマネージメント地域連携部と多文化共生地域連携部に改変され、4部体制となります。

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