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2011年度研究部プロジェクト「19世紀の科学と文化」主催
第2回研究会「19世紀英国科学者によるグランドツアー:チャールズ・バベッジの第2回目のツアー」
発表者:野村恒彦 氏(国際文化学研究科・異文化研究交流センター研究員)
日時:2012年1月31日(火)15:00~17:00
場所:中会議室(A403/ 国際文化学部A棟4階)
入場:無料(参加自由)
チラシ
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概要
19 世紀英国の科学者であるチャールズ・バベッジは階差エンジンや解析エンジンの発想や製作を行ったことで良く知られている。バベッジはケンブリッジ大学時代に、大陸で発達していた解析学に強い関心を持ち、それらを英国に導入するため友人たちと「解析協会」(Analytical Society) を設立し、その中心的なメンバーとなった。
バベッジの同時代の英国貴族子弟たちは、教養を深めるため大陸旅行に熱心であったが、バベッジもその例外ではなかった。実際にバベッジは知られているだけで大陸旅行を3回行っている。その目的地はフランス、イタリア等で貴族子弟が行った大陸旅行と変わり
がないが、その目的は数学を含め大陸科学者との交流であった。
本発表では第2回目の大陸旅行について、具体的行程やその目的、そしてその成果や影響について明らかにしたいと考えている。
主催・問合せ:異文化研究交流センター(IReC)
報告
昨年に引き続き、19世紀英国科学者であるチャールズ・バベッジが行ったグランド・ツアーについて発表を行った。
昨年はバベッジによる3回のグランド・ツアーの全体を俯瞰するとともに、第1回目のツアーについて、その行程や具体的目的地について発表したが、今回は第2回目のツアーの行程、目的地について述べた。
第2回目のツアーは約2年間の長期にわたるもので、その内容も多岐にわたっているので、そのすべてを一度に発表することは困難である。そこで今回は焦点を絞って、ツアー途中にバベッジが参加することとなった1828年ベルリンでのドイツ自然科学者・医師協会第7会総会について述べることとした。この会議は非常に大規模なもので、バベッジは大きな影響を受けた。そして彼は英国において多くの学会に設立に関与し、さらに1830年の『英国における科学の衰退』に繋がっていくことになる。
(協力研究員 野村恒彦)