EUアイデンティティの構築とその政治的意義
目次
活動状況(2013年度)
2013年10月31日(木)
17:00より、IReC(研究部)プロジェクト「EUアイデンティティの構築とその政治的意義」第3回講演会「日独の文化交流政策の変遷と課題」を開催いたしました。[詳細]
2013年8月1日(木)
17:00より、IReC研究部プロジェクト「EUアイデンティティの構築とその政治的意義」2013年度第2回研究セミナー「分断から統合へ?」を開催いたしました。[詳細]
2013年7月25日(木)
17:00より、IReC研究部プロジェクト「EUアイデンティティの構築とその政治的意義」2013年度第1回講演会「ドイツ対外文化政策の変容」を開催いたしました。[詳細]
プロジェクトの内訳
- 2013年度 研究部プロジェクト
- 代表者 :坂井一成(異文化コミュニケーション論講座)
- 分担者:
- 村尾元(言語情報コミュニケーション論講座)
- 岩本和子(現代文化論講座)
- 藤野一夫(現代文化論講座)
- 近藤正基(異文化コミュニケーション論講座)
- 齋藤剛(異文化コミュニケーション論講座)
- 青島陽子(地域文化論講座)
- 清川祥恵(異文化研究交流センター学術推進研究員)
- 経費の出所: 異文化研究交流センター プロジェクト経費
概要
(1) プロジェクトの目的と必要性
EUは、戦争からの経済復興とともに仏独間の戦争再発を防止するというすぐれて政治的文脈なかで進展してきた。今日の通貨・信用危機においても、これをいかにして克服するかという政治的意図・行動が問われている。一方、政治統合を推進する過程においては、うわべだけの技術的な統合にとどまることなく、政治的運命共同体の構築のために、アイデンティティをはじめとした文化的側面の凝集性を高めることの必要性も繰り返し指摘されてきており、実際EUとしても文化政策・教育政策を通じてそうした対応を推進してきている。
ここにおいてEUは、文化面では「EU文化」を掲げて統一するような手法ではなく、逆に既存の国家レベル・地方レベルでの文化の多様性を最大限担保し、そうした文化的なリベラリズムを守ることろにこそEUの意義を強調してきた。
こうした過程で生み出されてきた「EUアイデンティティ」とはいかなるもので、いかなる政治的役割を担っているのか。よりマクロにいえば、EU統合における政治と文化の関係はどのように理解することが適当なのだろうか。
国家レベルで考えるならば、国内政治においては政治文化や文化政策、対外関係においては安全保障文化や文化外交という概念において政治と文化の接合が論点となる。これをEUに照射するとき、どのような側面が出てくるのかを、本研究プロジェクトでは掘り下げていきたい。
(2) プロジェクトの活動計画
今年度の活動も過去5年間を引き継ぐものであり、各メンバーが以下の活動を進めることとする。
ヨーロッパにおける実際の民族や国家の共存の場とそこで生じてきた問題について、通時的あるいは共時的に分析・考察する。
EU、ヨーロッパ各国、及び地中海地域の国々などが、多民族共存、マイノリティ保護等のためにいかなる理念を掲げ、いかなる政策を実施してきたかを分析・考察する。
ヨーロッパにおける多民族共存あるいは多文化共存がソーシャル・メディアや文化活動を通じて、いかに解釈され表象されてきたかについて分析・考察する。
以上の課題をめぐり、外部から研究者を招いて講演会、公開セミナー、研究会などを開催する。
最終的なまとめとして、本プロジェクトメンバーの研究成果と、講演会、公開セミナー、研究会などの成果を研究報告書にまとめて、本ホームページ上で公開する。
(3) これまでのおもな関連業績
石川達夫『チェコ民族再生運動──多様性の擁護、あるいは小民族の存在論』(岩波書店、2009年)
坂井一成『ヨーロッパの民族対立と共生』(芦書房、2008年)
岩本和子『周縁の文学——ベルギーのフランス語文学にみるナショナリズムの変遷』(松籟社、2007年)
藤野一夫「文化多様性」をめぐるポリティクスとアポリア──マイノリティの文化権と文化多様性条約の背景」『文化経済学』第22号、2007年3月、文化経済学会、pp.7-14.
三浦伸夫「科学伝搬における覇権言語の興亡」、木村護郎クリストフ・渡辺克義編『媒介言語論を学ぶ人のために』、世界思想社、2009年6月刊所収。
寺尾智史「言語観の日欧比較文明論——"言語外言語"視座から見た"言語内言語"の可能性」『比較文明』(比較文明学会、査読付き)23号、2007年、pp.205−222.
松井真之介「フランスのマイノリティにおける言語教育──ブレイス語のディワン学校と在仏アルメニア学校を例に」神戸大学大学院国際文化学研究科 異文化研究交流センター 研究部2011年度プロジェクト報告書『ヨーロッパにおける多民族共存とEU――言語、文化、ジェンダーをめぐって――および日欧関係の歴史・文化・政治』、2012年、pp.28-40.
「フランスのアルメニア学校の建設と運営」『フランス教育学会紀要』(フランス教育学会、査読付き)第21号、2009年、pp.79-93.
連絡先
坂井一成研究室 |
住所 |
〒657-8501
神戸市灘区鶴甲1-2-1 神戸大学国際文化学研究科 (E 407号室) |
TEL/FAX |
078-803-7442 |
E-mail |
kazu*harbor.kobe-u.ac.jp (迷惑メール対策のため@を*に変えております。*を半角の@に変えてお送りください。) |