-François le Champi(1850年刊)『棄子(すてご)のフランソワ』(角川文庫、1952年刊)
村の粉ひきの若い妻マドレーヌは、捨て子の少年フランソワと知り合い、何くれとなくその子のめんどうをみてやることになる。ふたりは実の母子以上に強
い心のきずなで結ばれるようになるが、少年が17歳になった頃、マドレーヌの放蕩者の夫のせいで、彼は村を出て遠くに働き口を探さねばならなくなる。そし
て3年後マドレーヌの夫が死に、彼女も病に倒れたことを知ったフランソワは彼女のもとにかけつけ、破産寸前になっていた水車小屋をたてなおし、幼い頃から
自分のすべてであったマドレーヌを妻にする。
「田園4部作」の第2作。この小説は『愛の妖精』よりも前に書かれたが、単行本化されたのはそれよりもあとである。サンドはこの作品を劇に書き直して上演させ、大成功をおさめた。
フランソワとマドレーヌ