-「ジョルジュ・サンド作『コンスエロ』論考ーアルベール=ジシュカ=サタンについて」『国際文化学研究』19号、2003年、神戸大学国際文化学部、pp.1-15
『コンスエロ』『ルドルシュタット伯爵夫人』に登場するアルベール・ド・ルドルシュタットはサンドの生み出した人物たちの中でも最も奇妙な、だがある
意味では最も正統的なロマン主義的ヒーローであろう。『コンスエロ』におけるアルベールはボヘミアのフス派の狂信者ジシュカやサタンのイメージを背負った
エクセントリックな超能力者であると同時に敬虔な音楽家であるとされている。このアルベール像を詳しく検討することによって、『コンスエロ』執筆当時
(1838-39年)のサンドの美意識や、ロマン主義的サタン像の一例でもあるこの登場人物の特徴を明らかにする。