「マリー・ダグー伯爵夫人の生涯と作品ー小説『ネリダ』における事実とフィクション」『女性学研究』15号、2008年、大阪府立大学女性学研究センター、pp.1-20
ロマン主義時代とそれに続く時期の有名人であったマリー・ダグー伯爵夫人の半生を,特にフランツ・リストとの関わりに注目しながらたどったあと、彼と の恋を下敷きにした長編小説『ネリダ』を取り上げ、不評を買ったこの小説中の事実とフィクションのからみあいを検討し,主人公ふたりにどの程度彼女とリス トの姿が描き込まれているのか、当時大きな議論を巻き起こしていたサン・シモン主義者たちやフェリシテ・ドラムネなどの思想をこの作品がどのように反映し ているか、また彼女の生涯においてこの作品はどのような意味を持っていたのかについて明らかにする。