高校に行ってきました

 大学紹介企画の一環として、兵庫県内の県立高校に出張授業に行ってきました。「高校」に行くのは、本当に久しぶりでした。生徒全員が同じ制服を着て、大きな鞄を持ち、髪の毛もみんな黒、こういう雰囲気を長い間忘れていました。私が通った私立の進学校は校則がきびしく(男子はみな丸刈りでした)、礼儀正しくするよう常に言われたことを思い出しました。
 人間は楽なほうに染まっていくため、高校時代「校風の典型」と言われた私ではありますが、母校のモットーだった「質実剛健」は今となってはその片鱗もからだの中には残ってなさそうです。
 高校生の頃はちょっと窮屈でしたが、今になって思うと、外にいろいろ規制があるからこそたいていの人間は「自由」とか「独立」とか「自分らしさ」などについて真剣に考えるのではないでしょうか。最初からそういうものが揃っていて、それがあるのがあたりまえであったら、それらについて考えたり、あるいはそれらを手に入れるための努力をすることもないでしょう。「Easy come, easy go.」と言いますが、自分で苦労して手にいれたものでないと、気づかないうちになくしてしまったりすることもありそうです。

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