明日は大晦日

 「幸せな人というのは、明日目をさますのを楽しみにしながら眠りにつく人」という台詞を聞きました。なるほど、うまく言ったものですね。わくわくして眠れないくらい明日が待ち遠しい、というのは本当に素晴らしいことです。何か欲しいものがあること、やりたいことがあること、会いたい人がいること、つまり今日より明日のほうがいい日になるだろうと期待できることは若さの特権だと思います。そういう意味では、何もかも持っている若者はかわいそう。これ以上何も望むことがないとしたら、どうして明日を楽しみにできるでしょうか。
 ずいぶん前のことですが、初めて翻訳の仕事を任せてもらえそうになり、その面接の前夜、期待と興奮で一睡もできなかったことがありました。そういう理由で夜眠れなかったのは、後にも先にもその時一度だけです。(心配事があって眠れない、というのは時々あるのですけれど。)
 来年は、世界中で多くの人たちが明日を楽しみにしつつ穏やかな眠りにつけるような年になってもらいたいものです。

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