もうすぐ新学期

 桜の便りもちらほら聞かれるようになりました。もうすぐキャンパスには新しい学生たちがやってきます。毎年新しい若い顔が入ってくるのにたいして、教員のほうは自分がどんどん年とっていくのを感じてしまいます。大学院には中国からの留学生、それも女子学生が本当に多くなりました。これは今から20年前には予想もできなかったことだと思います。
 10年ほど前、必要があって、学部の情報論の授業でデータベースの作り方の授業に参加させてもらったことがありました。予備知識があまりない私の隣にひとりの学生が座って、コンピュータ操作の分からない時に補助してくれることになりました。それは当時学部在学中の中国人の女子学生でした。担当の教員は本学部の教授(男性)でしたが、その下で授業の補助や困っている学生の手助けをするティーチングアシスタントがいて、それも中国人の女子学生(修士課程在学中)でした。他の人と比べて理解が遅く、またコンピュータ画面上の見慣れぬ英単語に戸惑う私を隣の学生はやさしく手助けしてくれ、自分でも分からない時はティーチングアシスタントに尋ねてくれました。彼女たちは中国語で会話し、私とはもちろん日本語。3人でコンピュータ画面上の英語を見ながら操作しました。この時以来、「女性」「中国人」「英語」「コンピュータ」というのは、私たちの学部・大学院の未来と切っても切れない関係になるだろうということが私にも実感として分かるようになったものでした。その授業の後に作ったデータベースは、深い知識がないため自分で改良することができず、使い勝手があまり良くないまま現在に至っているのですが。

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