デュマの大長編小説『モンテ・クリスト伯』を読みました。子どもの頃に『岩窟王』という題名のダイジェスト版を読んでいたので、大まかなあらすじだけは知っていましたが、全体を読んだのはこれが初めてです。手に汗握る展開の中で、ときどき急に場面が変わり、いきなり本筋とは関係なさそうな描写が続いてちょっと中だるみ気味の場所もありましたが、それでも寝る時間が惜しいほど夢中で読み続けてしまいました。この作品が、それ以降のヨーロッパ(そして日本も!)のいわゆる大衆小説に与えた影響は計り知れないものがあると思います。また、ルブランのアルセーヌ・ルパン・シリーズやユゴーの『レ・ミゼラブル』などもこの作品から多くのアイディアやヒントを得ているはずです。時間を気にせずに面白い小説を読むのは最高のぜいたくだなあと思う今日この頃です。