サンド『旅人の手紙』第1・第2・第3信について

ー「サンド『旅人の手紙』第1・第2・第3信について」『国際文化学研究』44号、2015年、神戸大学大学院国際文化学研究科、pp.79-93.

 1833年12月から34年7月までのサンドのイタリア滞在は、彼女のその後の人生や作品に大きな影響を与えることとなり、ヴェネツィアで執筆された『旅人の手紙』第1・第2・第3信はその重要な時期の彼女の行動や思想を反映させたものとなっている。これらを検討することによって、作家サンドの特性、フランスロマン主義世代の精神風土、その世代が重きをおいた「イマジネーションの力」について検討している。また、当時のヴェネツィアがどのような場所であったか、この作品中でどのように表象されているかについても考察している。

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