近況: 2010年10月:一覧

未来を知る

 学会で名古屋に行ったついでに幼なじみの友人に久しぶりに会いました。その時に今の自分の境遇は40年前に想像したのとだいたい同じか、それとも全く違っているか、どこかで自分の人生がそれまでと違う方向に曲がってしまったと思うような出来事があるか、というような話をしました。そのおりふと頭に浮かんだのが、通勤途中にある「占い師」の店(?)です。地下街に数件あるのですが、いつも結構人がはいっています。外で順番待ちをしている人もいるようです。みんな何か自分では決められないことがあって占い師に相談しにくるのか、それとも単に自分の未来を知りたいという好奇心だけで占い師を訪ねるのでしょうか。
 ずいぶん昔の友人に、二人の男性に求婚された美女(良家のお嬢さん)がいました。二人の間でさんざん迷った彼女は「新宿の母」(当時非常に有名だった占い師で、中年のおばさん)にも相談したそうです。占い師の判断は「その二人よりももっと良い人が現れるから、どちらとも結婚しないほうがいい」ということだったようです。でも、友人は結局そのうちの一人と結婚しました。数年後に夫がなくなり、彼の家族とトラブルが起きて一時はずいぶん大変だったようです。私はそのご彼女との縁が切れてしまって音信不通ですが、よく彼女のことを思い出します。結局占い師のアドヴァイスを聞かなかったわけですが、彼女は自分で決断したのです。自分で決めて自分で対処したのですから、その点ではおそらく悔いはないのではないかと私は推察しています。エネルギッシュで魅力的な女性でしたから、そのあときっと自分の道を別の方向に切り開いていったのではないでしょうか。人が何かに迷った時「占い」もいくつかの選択肢のひとつですが、それに従うかどうかはやはり最終的に本人の決断だと思っています。

ギリシャの犬

アテネの犬・衛兵 (3).jpg

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