近況: 2011年7月:一覧

識譜率(?)

  今の日本で楽譜を苦労せずに読んで、楽器を演奏したり歌ったりできる人の割合がどのくらいなのか興味があります。また、たとえば19世紀フランスでは人口 の何パーセントくらいの人が楽譜を読めたのでしょうか。識字率に関してはいろいろな調査があるようですが、音楽に関しても何か資料があるのでしょうか。
 最近、19世紀フランスのオペラについて調べています。当時はもちろんレコード、テープ、DVDといったものが存在しなかったわけですから、劇 場やコンサートホール以外で音楽を楽しむためには実際に誰かがピアノを弾いたり歌ったりしなければならなかったわけです。あるオペラがパリで大評判になっ ても、テレビやビデオがあるわけではないので、多くの人々は楽譜を買って、誰かにそれを弾いてもらったり歌ってもらって楽しんだのでしょう。一家に最低ひ とりはピアノその他の楽器を弾ける人がいて、「人間レコードプレーヤー」「人間ステレオ」になって一家団欒やパーティーを盛り上げていたのでしょう。で も、ブルジョワ以上の階級はそうだとしても、もっと貧しい庶民はどうだったのかしら。当時の流行歌はどのように広がっていったのでしょうか。考えれば考え るほど疑問が増えていきます。

個人情報

 先日の授業のおりに、個人情報保護のことが話題になりました。広報用の写真を取った時、関係ない人の顔が写っているのをそのまま出していいかという問題で す。そんな時、いつも思い浮かぶのはジーナ・デイヴィス主演の1996年のアクション映画『ロング・キス・グッドナイト』の出だしです。数年前に記憶喪失 となって過去が思い出せないながらも、やさしい夫とかわいい娘に囲まれて幸せな生活を送っている主婦が、偶然テレビに大きく顔が写ってしまってから、恐ろ しいことが次々に起こる・・・。実は彼女はCIAの元工作員で、死亡したと思われていたのが、記憶を失って(しかも妊娠して)命を取り留めていた、と いうストーリーでした。普通の主婦のはずの彼女が、なにやら過激なことができる(普通人には到底できないナイフ使いetc)のに、それを自覚していない、 など非常に面白い映画でした。これを見て、顔や名前などの情報が不特定多数の人々に無造作にさらされるのは、どこにどんな危険が潜んでいるかわからないも のだと思ったものです。(今のところ私自身には、なぞの過去などないので、この映画のような心配はないのですけれど。)

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