必要があって、古い映画(20世紀の初頭から1970年代頃までのフランスやアメリカのもの)をよく見ます。いつも思うのは、男性登場人物はそのまま現代に移し替えてもあまり違和感がないのに、女性登場人物は時代の変遷をたいへんよく表しているということです。男性のファッションなどが大きく変化していないのに対して、女性のほうは服装、髪型、化粧などが時期によって全然違うのが理由のひとつだと思いますが、それだけではないようです。最近見た映画(1930年頃に制作、舞台は19世紀末のフランス)では、主人公の男性労働者の姿形・人物像にはまったく違和感がなかったのですが、ヒロイン(中産階級の若い人妻)はいかにも「昔の女性」という感じ(男性に媚びるような甘えた口ぶり、大げさな帽子や歩きにくそうな衣服、人形のようなメイクアップ)で、感情移入が全然できませんでした。1世紀もたたないうちに女性の外見や、「女らしさ」(あるいは女性としての魅力)についての意識がそれだけ変わったということでしょうか。(男性側からは別の意見があるかもしれませんが。)
近況: 2013年4月:一覧
リンカーンの有名な名言「40歳を過ぎた人間は、自分の顔に責任を持たなくてはいけない」というのは、男女を問わずあたっていると思います。機会があって随分昔に会った人と何十年ぶりかに再会したとき、親からもらった生まれつきの顔立ちや若さというヴェールがはがれていて、その人の本質(もちろんお化粧などで補強していることはあるわけですが)が表に出てきているのに驚く(良い意味でも悪い意味でも)ことがたびたびありました。
この名言と比べて、同じリンカーンの「今日できることを明日に残すな」というのは、私にはまったく役に立たない教えです。私は神経質で心配性のところがあり、なんでも準備万端ととのえておかないと不安でたまらない性分です。そのままだと明日どころかあさってのことまでやりかねず(そして、物事は予定どおりに進むとは限らないので、いらいらします)、いつも先のことを考え過ぎて現在をおろそかにする傾向があります。だから私のモットーは「明日できることを今日するな」。でもこれを実行するのはかなりたいへんです。