2013年11月:一覧

ユニコーン

『ユニコーン ジョルジュ・サンドの遺言』原田マハ(NHK出版、2013年刊)

 本書はサンドとブサック城のタピスリー「貴婦人と一角獣」(現在はパリのクリュニー中世美術館所蔵)をめぐる小説であるが、サンドの生涯に関してはかなり事実を忠実に描いている。また、巻末には「ジョルジュ・サンドの著作より」として、「マルシュ地方とベリー地方の片隅 ブサック城のタピスリー」および『戦争中のある旅行者の日記』の短い抜粋が収録されている。(文責 坂本千代) 


200年目のジョルジュ・サンド

『200年目のジョルジュ・サンド 解釈の最先端と受容史』日本ジョルジュ・サンド学会編(稲田啓子、宇多直久、太田敦子、小倉和子、河合貞子、坂本千代、高岡尚子、新實五穂、西尾治子、平井知香子、村田京子、渡辺響子(新評論、2012年刊)

 2012年はサンドの最初の邦訳(渡邊千冬訳『魔ヶ沼』1912)からちょうど100年という節目にあたる。日本ジョルジュ・サンド学会はこの機会に、過去の豊かな研究成果をふまえつつ独自の花を咲かせている日本のサンド研究の最先端を紹介するとともに、100年に及ぶ受容の歴史を俯瞰し、「サンドを読むことの現代性」を提示した。本書は「解釈の新しい視座」と「受容の歴史 ジョルジュ・サンドと日本」と題する二つのセクションから構成されている。第一のセクションはさらにジェンダー、芸術、自然という三つテーマに分かれ、サンドの作品世界を多角的に掘り下げている。翻訳史・研究史・伝記刊行史などを整理した第二のセクションでは、作品と作家の日本における受容の変遷が俯瞰できる。また巻末には邦訳作品解説や年表を付し、資料性を充実させている。

書簡集 1812-1876

-『書簡集 1812-1876』(持田明子・大野一道編・監訳・解説、藤原書店、ジョルジュ・サンドセレクション9、2013年刊)

  2万通におよぶ膨大なサンドの書簡のうち、8歳の時に母にあてた短い手紙から死の9日前に書かれたものまで、249通が選ばれている。当時の有名・無名の人たちにあてて書かれ、結婚制度、女子教育、政治、経済、宗教、芸術などについてのサンド特有の視座を読み取ることのできる、きわめて貴重な書簡集。

サイボーグ化?

 後期もちょうど真ん中で、学生さんも少し気が緩んでいるように思います。今日の授業の時も、スマホをいじっている人がいました。昔のように授業中にマンガなど関係ない本を読む人は少なくなってきましたが、携帯でメールをやりとりしたりインターネットを見たりする人が多くなりました。教師としては、せめて授業の間くらいは携帯にさわらないでほしいと思うのですが、ある人々にとってそれはもはや体の一部になっていて、それに触れているという意識さえないのかもしれません。携帯がないと死ぬとまではいかなくても、それがないと毎日の生活に大きな支障が生じるだろうと思われます。まるで機械が体に組み込まれたサイボーグのようです。私としては、やはりこのまま携帯電話を持たない生活(ただし旅行には持っていく)を続けたいと思います。

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