近況: 2011年4月:一覧

作業の能率を上げる

 今年度になって週に1回だけいつもの仕事場所とは違うオフィスに通っています。デスクとコンピュータだけがあり、ほかの人たちも周りにいる、という環境なのですが、とても仕事がはかどります。というのも、手近に本や資料などがないため、目移りすることなく目前の課題に取り組まなくてはならないからです。研究室や自宅と違って、他の人の目もあるため、昼寝したり飲食したりもできません。

 単純な仕事、特に深く考えたり、あちこち調べ物をしたりする仕事ではない場合は、こういう環境の方が私には適しているようです。普段は単純作業にあきると目がつい本棚などに行って、結局、全然別のことに夢中になってしまったりするからです。(それはそれで実りもあるのですが、どうも効率がよくありません。)現在共同執筆中の本の索引を作る作業などをやっていますが、こういうのにはぴったりなのです。

 オフィスの環境、あるいは受験勉強用の部屋などについて考えるときは、静かで落ち着けるというだけでなく(適度な雑音は集中力のじゃまにはならないようです)、「それしかやることがない」状況を作ることが大切だと今さらながら気づいたところです。

誤植

 誤植というものに私が初めて気づいたのは昔々、小学生の頃でした。当時愛読していた手塚治虫の『りぼんの騎士』というまんがで主人公の恋人に対する呼びかけが「フラツンさま」になっていたのです。正しくはもちろん「フランツ」(フランツ・チャーミングという王子で、これはもちろんプリンス・チャーミングにひっかけたもの)です。それまで活字(つまり印刷されたもの)に間違いがあるなどとは想像したこともない素朴な活字崇拝者だった私には、まさに大きな衝撃でした。

 本など数限りない印刷物とともに成長した私は、徐々に誤植というものの存在に慣れました。自分の本にもいくつか(かなり?)見つけてしまったりもしました。でも、だからこそ、いろいろな印刷物の校正の時に念には念を入れているのですが・・・。このたび出した、さる報告書、ぎりぎりまでふたりの人間が目を通し、印刷所に回してからも2回も校正したのですが、やっぱり出てしまったのですね。それも同僚の先生の肩書欄です。外部の方の肩書は何度も調べて目をとおしていたのに、身近な同僚の肩書の間違いに気付かなかったとは、情けないかぎりです。S先生、ごめんなさい。

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