新学術領域「調音意味論」提案のための準備的研究
代表者
- 定延 利之
分担者
- 林 良子
- 朱 春躍(研究協力者)
概要
本プロジェクトは、音声コミュニケーション研究においてこれまで放置されていた問題に光を当て、この問題を解明する新しい研究領域「調音意味論」を立ち上げるための準備を進めるプロジェクトである。放置されていた問題とは「それぞれの言語にはどのような発音法(phonation)があるのか?」という素朴な問題である。たとえば日本語の場合「「口をとがらせてものを言う」とはどのような話し手のどのような発音法で、どのような効果を持つのか?」といった問題がこれにあたる。この問題がこれまで(申請者らのものを除いて)放置されていたのは、話し手の人物像や発話効果に関する意味論と、音声や調音に関する調音音声学という、異なる学問分野を融合させることが困難だからである。だが、本プロジェクト申請者である定延は意味論・語用論の専門家、林と朱は調音音声学の専門家であり、長い共同研究の経験(4つの科研基盤A(H16~18・19~22・23~26・27~30(予定))と研究科内プロジェクト「話しことばの総合的研究プロジェクト」(H27))を通じて、この融合を果たしている。この強みを活かし、新しい研究領域「調音意味論」を本研究科から立ち上げたい。