NY、ManhattanのUpper Westsideにあるコロムビア大学音楽学部では、2006年の秋から、雅楽の実技プログラムをスタートさせました。このプログラムの実現までは、地道な資金集めや楽器の購入等、同大の東アジア言語・文化学部のバーバラ・ルーシュ名誉教授の、長年ご苦労があります。
わたしは、実技クラススタートの最初の年に、実技と講義を担当する教員として滞在し、合奏の基本の指導、現地の演奏家とのコーディネートなどの作業を行いました。楽器を始めて三ヶ月で、早くも、学内演奏会を行う機会があり、無謀にも、まったくのシロウト集団がいきなり舞台に立つこととなりました(汗)。しかし、日本人演奏家の助っ人もあり、なんとか無事に演奏会終了。なかなか感慨深いものがありました(涙)。
彼らは2009年6月には来日し、東京上野の奏楽堂で日本人とのジョイントコンサートを行いました。
雅楽の実技を行っている大学は、じつは海外にたくさんあります。カリフォルニア大学LA校、ハワイ大学ではすでに1960年代に雅楽クラスが開設されました。また、ドイツのケルンにも雅楽アンサンブルグループがあります。その他、集中講義やワークショップのような形で行う大学もあります。今や、雅楽は、日本人が考えているよりはるかに広く、海外のethnomusicologyの世界では知られ、大学に、ある意味で「普及している」音楽となっています。