近年、音楽を論じる学界の世界的な動向として、環境や紛争に関する話題を取り上げることが増えている。たとえば、2021年に開催予定の国際伝統音楽学会International Council for Traditional Musicの第46回世界大会では、発表テーマの一つに "Ecomusicologies and Ecochoreologies: Sound, Movement, Environment"(エコ音楽学とエコ舞踊学:音、動き、環境)を掲げている。また、2018年に開かれた同学会の分科会・東アジア音楽研究会(Study group on Musics of East Asia)のシンポジウムでも同様に

 "Ecological Habitus of Music and Dance"(音楽と舞踊の環境に関わる慣習)がテーマの一つであった。さらに遡り、2016年にはCurrent Directions in Ecomusicology: Music, Culture, Nature (エコ音楽学の現在の動向:音楽、文化、自然)という論文集も発行されている(Allen, Dawe共編著、Taylor & Francis)。Ecomusicologyecology(生態学)とmusicology(音楽学)の合成語で、一般の辞書には出て来ない単語だが、ここ10年でエコロジー的視点による音楽の議論は一気に活性化した感がある。その背景には、自然破壊による楽器材料の減少や劣化、紛争や災害による音楽を支える共同体そのものの崩壊の危機などがある。

 Ecomusicologyの意味するところは実際にはかなり広範で、右のCurrent Directions in Ecomusicologyの中には、自然と人間との関係を思索する哲学的アプローチ、人間を取り巻く社会環境と音楽のあり方や音楽の概念を論じるもの、自然の素材との対話から生まれる音楽的美意識を扱うものなど、多様な視点の論文が含まれている。その中で私が注目したのは、編者の一人Daweが寄稿した、"Materials matter: towards a political ecology of musical instrument making"(材料が問題(重要)だ:楽器作りのポリティカル・エコロジーに向けて)という論文である。この論文では、手作りでギターを製作する職人の事例が報告されていて、手の感触や耳を通して材質と対話していく職人の繊細な感覚的作業が描かれると同時に、できるだけ環境にやさしい方法で材料を集めるというこの職人のポリシーが紹介されている。「材料が問題だ」とわざわざDaweがタイトルで強調している理由は、これまでの音楽研究は、音楽様式の分析や、何をもって「美」とするかという美学的な研究には膨大な蓄積があるのに比べ、楽器の材料という物理的、あるいは形而下学的側面に着目した研究があまりないことにあるように思われる。'political ecology'ということばも耳慣れないが、同書の巻末の用語解説によれば、「資源、物質的環境の問題と人間の社会システムとの関係を批判的に考察する複合的な研究」とある。「ポリティカル」は通常「政治的」と訳されるが、ここでは環境・社会・人間の関連について批判的(反省的)な視点を持ち、あるポリシーに基づいて行動することを意味しているように思われる。ギター職人の事例に即していえば、自然にやさしく上質な材質にこだわり、丁寧に楽器を仕上げていく姿勢が、あるポリシーに基づいたエコロジカルな行動、つまり'political ecology' の実践に当る、ということなのだろう。

 翻って、日本の伝統楽器の製作は大きな困難に直面している。特に三味線や箏のバチ、コマ、柱の材料となる象牙、鼈甲などは元来輸入品で、これらの動物が絶滅危惧種となった現在では輸入が困難である。しかし、植物由来で国内調達が可能な篳篥の盧舌も安泰とは言えない。鵜殿の葭は千年以上の時間をかけて、楽人と楽器職人が磨いてきた美意識によって選ばれた素材であり、そのような葭が生育できる環境は、さらに途方もない長い時間をかけて自然と人が創り出してきたものである。その環境を維持するにはどうしたらよいのか。個人的には、良質な葭の産地として皇室の御料にして保護したらどうかなどと妄想するが、現実的には、地元の方々との協力を軸に、外部のより多くの人を巻き込んで、今の環境がこれ以上悪くならないように活動して行くことが重要であろう。それこそ「ポリティカル(政治的)」な戦略も使いつつ、貴重な環境を守り、後世に雅楽の豊かな音色を遺していかなければならない。

『雅楽だより』(雅楽協議会発行)61号(2020年4月1日発行)pp. 8-9掲載

 

復元という創造〜芝祐靖氏の遺したもの

        (国立劇場 第85回雅楽公演「雅楽 アジアの響き」(2019.11.9)原稿)


 「復元」とは失われたもの、あるいは変化したものを「元の形に復する」行為、あるいはその結果のことである。発せられた瞬間に消える時間芸術である音楽において、録音技術が生まれる以前は、厳密な意味で、過去の音楽を保存・再生することは不可能であった。しかしだからこそ好奇心は刺激される。その音楽は昔どんなふうに響いていたのか。たとえば、奈良時代や平安時代の雅楽は、しばしば「天平の響き」や「源氏物語の音楽」などのキャッチコピーとともに、人々の想像やロマンをかき立て、復元の対象となってきた。

 ただし、一旦廃絶した音楽の復元は容易ではない。古譜に記された記号の連なりは旋律の骨格を示すだけで、各楽器の当時の演奏の実態はわからない。この骨格をもとに、観客が聴いて「おもしろい」と感じる音楽を創るには、古譜には書かれていない様々な「肉付け」を行わなければならない。その意味で、音楽における復元作業は、現代の音楽家による過去の伝承の創造的解釈であり、さらに、その解釈の結果は一つではなく、復元者の立場や方針により複数存在する。

 国立劇場が、雅楽の復元演奏に取り組み始めたのは1975年である。この年、第一回「管」公演「正倉院と雅楽の管」(〈元歌〉〈蘇莫者〉上演)と第一九回雅楽公演「舞楽 大曲と稀曲の再興」(〈蘇合香〉〈河南浦〉上演)が催された。以来、〈盤渉参軍〉、〈団乱旋〉、〈獅子・狛犬〉、〈曹娘褌脱〉、敦煌琵琶譜の諸曲、〈鳥歌萬歳楽〉、〈番假崇〉、〈玉樹後庭花〉、〈陵王荒序〉、〈皇帝破陣楽〉など、さまざまな楽曲が国立劇場の舞台で現代に甦った。初期のものを除いて、ほとんどの復元を担当し、「復元雅楽」という一分野を開拓したのが、本年7月に亡くなった芝祐靖氏(1935〜2019)である。芝氏は自身の復元作業が、厳密な意味で「復元」ではないことをよく自覚していて、復元曲CDの解説で次のように述べている。

 さまざまな音移行と跳躍音型、そしてフレージングなど、手探りで不安の多い作業ですが、その中から古さばかりでなく、思いもかけない新鮮なメロディーの出現に驚かされることもあります。

 琵琶の訥々とした音型から旋律を探る作業、そしてその中から出現した旋律を合奏へと展開する作業、つまりオーケストレーションの過程でも、つねに創造/想像的な判断が求められます。この敦煌琵琶譜を音楽として甦らせるために、私自身の雅楽の経験を元に創意工夫を加え、作品として仕上げました。(CD『芝祐靖の音楽 復元正倉院楽器のための敦煌琵琶譜による音楽』2011)

 ここで芝氏は、古譜と向き合う中で、思いがけず新鮮な旋律に出会うことがあること、また、それを最終的な合奏形態へと展開する作業で、それまでの自身の雅楽の経験を活かして創意工夫を加えていることを明かしている。つまり、芝氏にとっての復元作業は、現在のみずからの経験と想像力にもとづいた過去の解釈作業に他ならず、きわめて創造的な営為なのである。また、その解釈には、一つではなくいくつかの異なる可能性があることも実際に示している。たとえば、本公演でも演奏される〈番假崇〉に対して、琵琶独奏、現在の唐楽様式の合奏、復元された正倉院楽器のための合奏、の三種類の解釈(編曲)を遺している(CD『甦る古代の響き 天平琵琶譜「番假崇」』一九九九)

 音楽の復元には決まった答えがない。しかしだからこそ魅力的である。芝氏が築いた「復元雅楽」というジャンルは、古典雅楽や現代作曲家による新作雅楽とともに、雅楽の世界を今後も豊かに彩っていくに違いない。

(公演当日のパフレットとは一部の記号、フォント、レイアウトなどが異なります)

南あわじ煙島

2019年3月13日、南あわじ市福良の煙島にお参りしました。一の谷で戦死した平敦盛の遺骸を荼毘に付したと言われる場所です。この島は普段は禁足地で、特別に淡路人形座の方のお参りに同行させていただきました。敦盛さんの御魂をお慰めし、3月に行う人形芝居「一谷嫩軍記」の公演成功を祈願するためのお参りです。
淡路人形座は毎年、3月の敦盛さんの命日前後の時期に「一谷嫩軍記」を上演しています。2019年は3月21〜24日です。敦盛さんゆかりの場所で浄瑠璃を楽しむのもいいですね。


煙島の入口
煙島入口.jpg
階段上から福良湾を見る
上からの眺め.jpg
急峻な階段を登ると頂上部分に平地があり、中央に厳島神社(宗像社)、左側に敦盛塚、右側に経塚があります。厳島神社に参拝したあと、福良神社の祢宜さんにより敦盛塚で祝詞が奉上されました。

敦盛塚でのお祀り
首塚でお祈り.jpg

境内にはその他、「奉寄附 石灯籠 富講中 元禄十一年戊寅年(1698) 正月七日」と銘のある石灯籠二基と明治廿年(1887)に「七人組」が奉納した石の手水鉢があります。現在の厳島社の手前(北側)に、石の基壇があり、古くは、ここにも建物があったと推測されます。

元禄十一年の石灯籠
元禄十一年の灯籠.jpg
江戸時代末に出版された『淡路國名所図会』(1851)には煙島に関して、以下のような記述があります。

嶋の頂き平地五間ばかり。宗像社あり。此南に石小祠あり。里人これを無官太夫敦盛の古墳なりと言い伝ふ。

一説に、元暦元年春二月、摂州一の谷の合戦に熊谷治郎直実、平家の公達無官太夫敦盛を撃とり、其遺体を父経盛の陣に送る。其時、此島に於て荼毘し煙となす。是よりして煙島と号く。爾後、菩提所を営み、摩尼山紅蓮寺と号く。則、摩尼ハ島の宝珠をかたとり、紅蓮は敦盛の法号なりといふ。又云、紅蓮寺後荒廃して、本尊観世音の尊体ハ今神宮寺に安する所、是也とぞ。

これによると、江戸時代末には、現在、宗像社がある位置(南側)に石小祠があり、現在、基壇だけが残る場所(北側)に宗像社があったのかもしれません。が、詳しいことはわかりません。

島から帰って、漁港の近くの平松食堂でサクラマスの定食をいただきました。サクラマス、刺身もあんかけも絶品でした。さすが、御食つ国です。普通の食堂のご飯のレベルが異常に高い。
このボリュームで1680円!
平松食堂/桜ます定食.jpg

この日は風が強く、明石海峡も白波がたっていました。
白波がたつ明石海峡.jpg

What the Doctor Overheard: 

Dr. Leopold Müller's Account of Music in Early Meiji Japan. 


Some Notes on Japanese Music. 

Einige Notizen über die japanische Musik. 

日本音楽に関するノート (1874-1876)


          Cornell University East Asia Program2018/1/30

           https://www.amazon.co.jp/What-Doctor-Overheard-Leopold-Mullers/dp/1939161851


185 webpage_9781939161659_2.jpg

   Bruno Nettl Prize (Society for Ethnomusicology) 受賞!

 明治初期、お雇い外国人として日本に滞在したブロイセンの医師・ミュルレルによる、当時の日本の音楽状況に関する論文の全文です。長年その存在は知られていたものの、ドイツ語で書かれていることから、日本音楽の研究者には近づきにくい史料でした。このたび、R.Wolpert博士、E. Markham博士と共同で、オリジナルのドイツ語、英語訳、日本語訳の三か国語版を作成しました。ミュルレル自身によるオリジナルの図版も多数収録しています。
 また、背景となる当時の日本の社会状況、ヨーロッパにおける日本音楽の研究と理解などに関する翻訳者の考察(こちらは英語のみ)も添えられています。
   この業績に対し、このたび、アメリカのSociety for Ethnomusicologyより、Bruno Nettl賞をいただきました。
 

長年、現代の雅楽界を牽引してきた不世出の雅楽人・芝祐靖氏の半生をまとめました。ダイナミックな現代雅楽の軌跡を辿ります。

芝祐靖氏は2019年7月5日に逝去されました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

 

伶倫楽遊 芝祐靖と雅楽の現代

アルテスパブリッシング

20171222日発売、2,200円(+税)



cover_obi-407x600.jpgのサムネール画像

「はじめに 芝祐靖というできごと」より

 「伶楽舎」。これが、現代日本における最も優れた雅楽の演奏団体の名称である。「伶楽」とは、「伶倫」と「楽遊」という二つの単語をもとに作られた名称で、「伶倫」は、中国の『呂氏春秋』に登場する黄帝こうていに仕えた伝説の音楽家の名、「楽遊」は「楽を学び楽しむ」の意である。伝説によると、伶倫は一対の鳳凰の鳴き声を聞き、鳳(雄)の高低六つの音と、凰(雌)の六つの音を合わせ、十二律を整えた。

 この悠久壮大な中国の故事に由来する名称を冠した雅楽団体は、雅楽の伝統的なレパートリーの演奏に常に高い完成度を示すと同時に、武満徹、一柳慧、石井真木、細川俊夫など現代作曲家の新作にも果敢に挑み、雅楽のさまざまな魅力と可能性を世に問うてきた。伶楽舎は、現在、自主公演のほか、しばしば依頼、招待による演奏を行い、国内のみならず国際的にも最も活躍している演奏団体の一つである。

 この団体をつくった人物の名を、芝祐靖という。八〇〇年以上続く雅楽の家系に生まれ、幼少から雅楽を学び、宮内庁楽部に奉職した。しかし、四九歳の時に退職。以後、フリーの音楽家として雅楽の発展に尽くし、二〇〇三年からは芸術院会員となっている。

 芝の肩書きを単に「雅楽演奏家」とするのは正確ではない。なぜなら、雅楽演奏のほかに、廃絶曲の復元研究と論文の執筆、廃絶曲を実際に音として甦らせる復曲、新作雅楽の作曲、若手演奏家の指導、さらに、あまり知られていないが、西洋楽器のための作曲(含、オーケストラ作品)など、きわめて多方面に才能を発揮しているからである。芝は、戦後の雅楽の歩みのほとんどすべてに、大なり小なり関わっており、その軌跡は、そのまま現代の雅楽の歴史と重なる。換言すれば、芝の活動はすでに個人の活動の域を越え、時代を画する一つの「できごと」の様相を呈しており、その出現以前と以後では、雅楽の様態や社会における雅楽のあり方自体が変わったのである。もちろん、現在も皇室や寺社には雅楽を用いる伝統的な儀礼が存続し、そこでの演目、演奏様式は脈々と維持、継承されている。しかし、芝の活動は、さまざまな点でその「伝統的雅楽」を相対化し、多様化することにより、雅楽全体に豊かさを加えたのである

 





集中講義のために提携校のレンヌ第一大学を訪問しました。受講してくださった学生さん、お世話になりましたレンヌ第一大学の皆様に心から感謝申し上げます。
Rennes1a.jpgのサムネール画像
Centre Faranco-Japonais de Management, IGR-IAE Rennes

さて、レンヌはブルターニュ地方の中心都市です。市内の何カ所かに中世の古い町並みが残っています。また、ブルターニュ地方ではケルト文化の復興も盛んです。

Rennes伝統家屋a.jpgのサムネール画像
滞在中の6月21日はたまたま夏至にあたり、フランス全土で催されるFête de la Musiqueが、レンヌでも行われました。ジャンルはロック、ファンク、ジャズ、クラブ系、クラシック、ブラスバンド、合唱、オルガン、サンバなどなど実に多様で、しかも、町の至る所で繰り広げられていたのが印象的でした。
Rennes_Jazzband_a.jpg    Rennes_Rock_a.jpgのサムネール画像

神戸大学国際文化学研究科 国際文化学研究推進センタープロジェクト

「日本研究の文化資源学」第8回研究会(シンポジウム)

「シンポジウム国際文化振興会(KBS)制作映画と日本の表象」

を2016年3月22、23日の2日にわたり開催しました。

 於:神戸大学大学院国際文化学研究科 A-403(中会議室)


発表要旨を『日本文化論年報』20号(2017年3月)に掲載しました。


プログラム

KBS文化映画シンポ1.jpg

322日(火)

10:30-12:00 KBS映画上映会

13:00-15:00 KBS映画上映会


323日(水) 

10:30-11:15 「戦前のKBSの文化事業について」山本佐恵(日本大学)

11:15-12:00 「現存するKBS文化映画の概略」寺内直子(神戸大学)

13:00-14:00 KBS映画上映と議論

14:00-14:30 「KBS主催アマチュア映画コンテストと日本イメージ」板倉史明(神戸大学)

14:00-15:00 KBS主催「日本を海外に紹介する為の16ミリ映画」コンテスト入選作品上映

 海の宝石』(11)、『竹』(17分)、『日本の子供達』(16分)、

  『蜘蛛と頼朝』(分、神戸映画資料館所蔵)など

15:30-16:15 「戦時下中国における抗日映画と対外宣伝」韓燕麗(関西学院大学)

16:15-17:00 全体討論




神戸大学の派遣により、フランスにおいて日本文化紹介事業を行いました。20151110日、パリ日本文化会館 Maison de la cuture du Japon à Parisで、"Le gagaku et Tôru Takemitsu « In an autumn garden » (雅楽と武満徹 −〈秋庭歌〉)"と題し、講演を行いました。70名ほどの来聴者があり、講演終了後も、武満の多彩な活動を反映して、音楽のみならず、映画、舞踊との関係など、多彩な角度から質問をいただきました。

    パリ日本文化会館(小).jpgのサムネール画像のサムネール画像 
Maison de la culture du Japon  

151110講演の様子.jpg
講演の様子

1115日はパリ第五大学でStudy in Japan Fair in Paris 2015に参加する予定でしたが、残念ながら13日に起きたテロ事件の影響でフェアは中止となりました。15日は折しも日曜日だったので、追悼ミサが各教会で行われました。Cathédrale Notre Dame de Parisは長蛇の列で入れなかったものの、近くのSaint-Julien-le-Pauvre教会とSaint Séverin教会のミサを聴聞しました。

 ノートルダム.jpgのサムネール画像のサムネール画像 
Cathédrale Notre Dame

St Severinのパイプオルガン.jpgのサムネール画像 
Eglise St. Séverin 


神戸大学国際文化学研究科 国際文化学研究推進センタープロジェクト

「日本研究の文化資源学」第5回研究会

国際シンポジウム  

「私たちは何を録音してきたのか〜古音源の保存と活用〜」

を開催しました。

2015320日(金)13:30-17:30  

神戸大学国際文化学研究科 A4階 中会議室

タテパンフ表紙.jpg



プログラム

13:40-14:10 報告1  奥村 さやか(国立国会図書館)

 「国立国会図書館におけるSPレコードのデジタル化音源「歴史的音源」の

  提供と活用の可能性」

14:10-14:50  報告2  パスカル・コルドレクス(フランス国立図書館)

 「フランス国立図書館の音源資料とインターネットによる配信について」

15:00-15:30 報告3  藤本   草(日本伝統文化振興財団)

 「歴史的音盤アーカイブ推進協議会の活動について

15:30-16:00 報告4  大西 秀紀(京都市立芸術大学)

 「京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター所蔵の音声資料とアーカイブ

  について」

16:00-16:30 報告5  鈴木 聖子(東アジア文明研究センター、フランス)

 「フランスにおける日本関連の歴史的録音資料」

16:45-1730  討論


DSC08469.JPGのサムネール画像


趣旨

 神戸大学国際文化学研究科の国際文化学研究推進センタープロジェクト「日本研究の文化資源学」では、これまで、日本文化に関して「文化資源」を切り口に、さまざまな角度で検討してきました。今まで見過ごされて来たものが、新たな価値を帯びた「資源」として見出される時、文化の新たな側面が見えてきます。今回は「音」資源に焦点を当てます。

 発せられる瞬間に消滅する「音」を記録するすべを人類は長らく持ちませんでした。しかし19 世紀末に録音機材が発明されて以降、私たちはさまざまな「音」を録音して来ました。19世紀から20世紀前半頃の録音には、今日では想像もつかない対象が録音されており、レコードというメディアの使用目的も今日より多様でした。これらの録音を聞くと、今日の私たちの「レコードは鳴っている音楽を録音する」という通念そのものが揺らぎます。

 古い音源は、近年、急速にデジタル復元作業が進み、CDなどで購入できるようになりました。さらに、世界中の公共図書館(国立図書館を中心に)では今、インターネットを利用し、遠隔地の、不特定多数の人々にも所蔵する音源を公開するプロジェクトを進めています。

 このシンポジウムでは、日本の国会図書館の歴史的音源(「れきおん」)担当の奥村さやか氏、フランス国立図書館オーディオ部門のパスカル・コルドレクス氏に、そうした図書館の音源公開の取り組みについてお話しいただきました。また、日本伝統文化振興財団の藤本草氏には、レコード業界の立場から、歴史的音盤アーカイブ推進協議会の活動と、これんらの課題についてお話いただきました。また、録音されている実際の音楽のジャンル、内容に関しては、戦前の日本のSPレコードについて京都市立芸術大学の大西秀紀氏に、フランスにおける日本音楽の音源について、フランス東アジア文明研究センターの鈴木聖子氏にお話しいただきました。

 当日は、学外の音楽、言語の研究者の方々にも多数ご来場いただき、活発な意見交換が行われました。

(寺内 直子 研究プロジェクト代表者)


 


The 5th conference of the Research Project "Cultural resources for Japanese studies" subsidized by Research Center for Promoting Intercultural Studies, Graduate School of Intercultural Studies, Kobe University

International symposium

What have we recorded?:  preserving and utilizing sound archives


March 20, 2015, 13:30-17:30

Graduate School of Intercultural Studies, Kobe University

Conference room A403 (Building A, 4F)


PROGRAM

 

13:30- 13:20  TERAUCHI Naoko (kobe University)

            Opening remarks / aim of the symposium

13:40-14:10 OKUMURA Sayaka (National Diet Library Japan) 

'On the "Historical recordings collection" of the National Diet Library Japan'


14:10-14:50  Pascal CORDEREIX (Bibliothèque National de France

 'Les archives sonores de la Bibliothèque nationale de France et leur diffusion sur Internet'


15:00-15:30 FUJIMOTO So  (Japan Traditional Cultures Foundation)

'On the activity of the Historical Records Archive Promotion Conference'


15:30-16:00 ONISHI Hidenori (Kyoto City University of Arts

 'The old recordings and archive in the Research Center for Japanese Traditional Music, Kyoto City University of Arts'

 

16:00-16:30 SUZUKI Seiko (Researcher, Centre de recherche sur les civilisation de l'Asie orientale)

 'Historical recordings of Japanese music in France'


16:45-1730  discussion

 

 

 




 神戸大学の派遣により、フランスにおいて、"L'univers du gagaku(雅楽の世界)"と題し、日本の伝統音楽・雅楽の講演会と実技ワークショップを行いました。

 2015225日には、フランス第二の都市リヨンの国立高等音楽・舞踊学校 Conservatoire Superieur Musique et Danse de Lyon で、日本の伝統音楽「雅楽」の講演会と実技ワークショップを開催しました。講演会は会場満員の60名程度、実技ワークショップは、リヨンの国立高等音楽・舞踊学校のフルートの先生、学生さんら16名程度が参加し、中身の濃いワークショップとなりました。

リヨンの町並み.jpg 150225リヨン講義.jpg


 226日、27日のパリ日本文化会館 Maison de la cuture du Japon a Parisでの実技ワークショップも同様のメニューで行い、音楽経験者から一般の方まで15-17名程度の熱心な参加者が集いました。28日の講演会も会場がほぼ満員になる120名程度の来聴者がありました。講演終了後も30分にわたり雅楽の音楽、舞踊、背景の思想、現代音楽との関係、社会への影響などに関して多様な質問をいただき、ヨーロッパの方々の日本の伝統音楽への関心の高さを改めて認識しました。


150228パリ会館講演会.jpgのサムネール画像  パリ日本文化会館(小).jpg


 なお、この事業に関しては、フランス国内の諸事にわたり、パリ日本文化会館および、リヨン領事事務所に全面的にお世話いただきました。厚く御礼申し上げます。


アイテム

  • 白波がたつ明石海峡.jpg
  • 平松食堂/桜ます定食.jpg
  • 元禄十一年の灯籠.jpg
  • 首塚でお祈り.jpg
  • 上からの眺め.jpg
  • 煙島入口.jpg
  • 185 webpage_9781939161659_2.jpg
  • cover_obi-407x600.jpg
  • Japanese traditional vol.5-2.jpg
  • Rennes_Rock_a.jpg