◎大学院はどういうところか
大学院修士課程は、卒業論文で勉強したテーマをさらに深めたり、大きな視野で研究するところです。このため、当研究室では、これまで音楽、芸能、年中行事等に関する卒業論文を執筆した方を歓迎します。
大学院に入るには、日本文化全般あるいは、音楽、芸能に関する基礎的知識が必要であることは当然ですが、何より、修士論文執筆のための明確なテーマと問題意識の設定が必要です。このテーマ設定には、先行研究をまとめるだけでなく、いままでにない新しい知見・オリジナリティが得られる見込みがあることが必要です。
博士課程は、修士課程の積み重ねの上に、さらに専門的、学術的なテーマで博士論文を執筆するところです。
◎これまでの卒業生、修了生の研究
これまでの卒論、修論のテーマはホームページに掲載した通りです。かなりいろいろなテーマがあることにお気付きでしょう。これらはテーマ別にいくつかの類型に分けられます。
① 音楽・芸能の歴史的研究
「江戸時代後期における「遊戯」~『守貞謾稿』を通して」などがあります。主として、古文献を解読する作業に基づく論考です。
② 年中行事や地域の伝統文化と現代社会に関する研究
ここには、「吉海町における年中行事―住民及び行政の意識とその実態の変遷―」や「囃し田の「芸能化」-「民俗」から演じられる「芸能」へ-」などが入ります。いずれもフィールドワークに基づく現在の地域文化、芸能の研究です。
③ 日本音楽の海外発信、文化交流に関する研究
ここには、「ヨーロッパにおける「日本文化」の発信―貴志康一の書を中心に」が入ります。
④ 現代の音楽文化の諸問題
ここには「美空ひばりと演歌」、「ポピュラー音楽の中の「女」と「男」-ロック雑誌『ロッキング・オン』にみる若者のジェンダー観-」などが入ります。③と④は、近代、現代のグローバル社会における日本を取り巻く文化交流のあり方を論じるテーマです。
このように、これまで、日本の伝統的な文化に限らず、今日的なテーマ、あるいは、外国、外来の音楽や芸能に関する研究も、広く受け入れて来ました。
斬新な視点をもち、堅実な方法論で熱心に研究に取り組む方を歓迎します。