近現代ドイツにおける地理的「中間Mitte」の思想史:「中間民族Mittelvolk」自己像の生成と類型 

 
 

代表者                        

    • 野上 俊彦(神戸大学国際文化学研究科・協力研究員)

分担者

    • 畠中 茉莉子(神戸大学国際文化学研究科・協力研究員)
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プロジェクトの目的

 
 本プロジェクトの目的は、17世紀末ドイツに始まる地理的「中間Mitte」にかんする思想の歴史を再構成し、時代の変遷のなかでのその都度の思想的内実を明らかにすることを通じて、「中欧Mitteleuropa」思想史研究のさらなる発展を促す基礎的資料を提供することにある。
 「西欧」と「東欧」の中間を意味し、19世紀以来ドイツ・ナショナリズム思想の重要な構成要素となってきた「中欧」理念については、20世紀末以降に再評価が進み、この理念が内包してきた種々の政治的・経済的秩序構想にかんして詳細な研究が生み出された。
 しかしこの「中欧」理念の重要な前提をなす地理的「中間」の思想は、先行する諸研究において概説的に触れられるにとどまり、まとまった形での「中間」思想の通史はまだ書かれていない。
 本プロジェクトは、「中間民族Volk der Mitte」としてのドイツ人の自己像、その「宿命」や「使命」にかんする言説を追跡し、「中間」思想の生成過程と諸類型を明らかにすることで、ドイツ思想史研究における上の欠落部を埋めることをめざす。


 
 
 
 
研究会等の情報