2015年3月アーカイブ

神戸大学国際文化学研究科 国際文化学研究推進センタープロジェクト

「日本研究の文化資源学」第5回研究会

国際シンポジウム  

「私たちは何を録音してきたのか〜古音源の保存と活用〜」

を開催しました。

2015320日(金)13:30-17:30  

神戸大学国際文化学研究科 A4階 中会議室

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プログラム

13:40-14:10 報告1  奥村 さやか(国立国会図書館)

 「国立国会図書館におけるSPレコードのデジタル化音源「歴史的音源」の

  提供と活用の可能性」

14:10-14:50  報告2  パスカル・コルドレクス(フランス国立図書館)

 「フランス国立図書館の音源資料とインターネットによる配信について」

15:00-15:30 報告3  藤本   草(日本伝統文化振興財団)

 「歴史的音盤アーカイブ推進協議会の活動について

15:30-16:00 報告4  大西 秀紀(京都市立芸術大学)

 「京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター所蔵の音声資料とアーカイブ

  について」

16:00-16:30 報告5  鈴木 聖子(東アジア文明研究センター、フランス)

 「フランスにおける日本関連の歴史的録音資料」

16:45-1730  討論


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趣旨

 神戸大学国際文化学研究科の国際文化学研究推進センタープロジェクト「日本研究の文化資源学」では、これまで、日本文化に関して「文化資源」を切り口に、さまざまな角度で検討してきました。今まで見過ごされて来たものが、新たな価値を帯びた「資源」として見出される時、文化の新たな側面が見えてきます。今回は「音」資源に焦点を当てます。

 発せられる瞬間に消滅する「音」を記録するすべを人類は長らく持ちませんでした。しかし19 世紀末に録音機材が発明されて以降、私たちはさまざまな「音」を録音して来ました。19世紀から20世紀前半頃の録音には、今日では想像もつかない対象が録音されており、レコードというメディアの使用目的も今日より多様でした。これらの録音を聞くと、今日の私たちの「レコードは鳴っている音楽を録音する」という通念そのものが揺らぎます。

 古い音源は、近年、急速にデジタル復元作業が進み、CDなどで購入できるようになりました。さらに、世界中の公共図書館(国立図書館を中心に)では今、インターネットを利用し、遠隔地の、不特定多数の人々にも所蔵する音源を公開するプロジェクトを進めています。

 このシンポジウムでは、日本の国会図書館の歴史的音源(「れきおん」)担当の奥村さやか氏、フランス国立図書館オーディオ部門のパスカル・コルドレクス氏に、そうした図書館の音源公開の取り組みについてお話しいただきました。また、日本伝統文化振興財団の藤本草氏には、レコード業界の立場から、歴史的音盤アーカイブ推進協議会の活動と、これんらの課題についてお話いただきました。また、録音されている実際の音楽のジャンル、内容に関しては、戦前の日本のSPレコードについて京都市立芸術大学の大西秀紀氏に、フランスにおける日本音楽の音源について、フランス東アジア文明研究センターの鈴木聖子氏にお話しいただきました。

 当日は、学外の音楽、言語の研究者の方々にも多数ご来場いただき、活発な意見交換が行われました。

(寺内 直子 研究プロジェクト代表者)


 


The 5th conference of the Research Project "Cultural resources for Japanese studies" subsidized by Research Center for Promoting Intercultural Studies, Graduate School of Intercultural Studies, Kobe University

International symposium

What have we recorded?:  preserving and utilizing sound archives


March 20, 2015, 13:30-17:30

Graduate School of Intercultural Studies, Kobe University

Conference room A403 (Building A, 4F)


PROGRAM

 

13:30- 13:20  TERAUCHI Naoko (kobe University)

            Opening remarks / aim of the symposium

13:40-14:10 OKUMURA Sayaka (National Diet Library Japan) 

'On the "Historical recordings collection" of the National Diet Library Japan'


14:10-14:50  Pascal CORDEREIX (Bibliothèque National de France

 'Les archives sonores de la Bibliothèque nationale de France et leur diffusion sur Internet'


15:00-15:30 FUJIMOTO So  (Japan Traditional Cultures Foundation)

'On the activity of the Historical Records Archive Promotion Conference'


15:30-16:00 ONISHI Hidenori (Kyoto City University of Arts

 'The old recordings and archive in the Research Center for Japanese Traditional Music, Kyoto City University of Arts'

 

16:00-16:30 SUZUKI Seiko (Researcher, Centre de recherche sur les civilisation de l'Asie orientale)

 'Historical recordings of Japanese music in France'


16:45-1730  discussion

 

 

 




 神戸大学の派遣により、フランスにおいて、"L'univers du gagaku(雅楽の世界)"と題し、日本の伝統音楽・雅楽の講演会と実技ワークショップを行いました。

 2015225日には、フランス第二の都市リヨンの国立高等音楽・舞踊学校 Conservatoire Superieur Musique et Danse de Lyon で、日本の伝統音楽「雅楽」の講演会と実技ワークショップを開催しました。講演会は会場満員の60名程度、実技ワークショップは、リヨンの国立高等音楽・舞踊学校のフルートの先生、学生さんら16名程度が参加し、中身の濃いワークショップとなりました。

リヨンの町並み.jpg 150225リヨン講義.jpg


 226日、27日のパリ日本文化会館 Maison de la cuture du Japon a Parisでの実技ワークショップも同様のメニューで行い、音楽経験者から一般の方まで15-17名程度の熱心な参加者が集いました。28日の講演会も会場がほぼ満員になる120名程度の来聴者がありました。講演終了後も30分にわたり雅楽の音楽、舞踊、背景の思想、現代音楽との関係、社会への影響などに関して多様な質問をいただき、ヨーロッパの方々の日本の伝統音楽への関心の高さを改めて認識しました。


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 なお、この事業に関しては、フランス国内の諸事にわたり、パリ日本文化会館および、リヨン領事事務所に全面的にお世話いただきました。厚く御礼申し上げます。


アイテム

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