世紀転換期におけるアングロ・サクソン世界の知識人と社会改革の構想

 

代表者

    • 野谷 啓二

分担者

    • 井上 弘貴
    • 清川 祥恵(協力研究員)
    • 秋田 真吾(博士課程後期課程)

概要

本研究は、世紀転換期の大西洋を横断した世界において展開された、アメリカ合衆国とイギリス双方の知識人の思想交流を、歴史的側面から明らかにするものである。アメリカ合衆国では革新主義、イギリスではニューリベラリズムやフェビアン社会主義と呼ばれる思想潮流は、それぞれの国家のなかで完結したものではなく、相互に連動しあう一体的な知的運動の各側面であった。
 
そこで、既往研究では不充分にしか取り扱われてこなかった、英米の世紀転換期の包括的な思想展開に着目し、個々の思想家が果たしたグローバルな役割と、その歴史的意義を再考する。これにより、既存の地域限定的な理解に留まらず、国民国家という枠組みを超えた、より精緻な解釈を提供することが可能となる。その上で、環大西洋において交差したアングロ・サクソニズムの意義を解き明かし、近年歴史学において精力的に開拓されているグローバルヒストリーに相当する、新しい視点からの思想史を構築することを目指す。