タイトル:
日時:
平成29年9月3日(日)午前10時30分~
会場:
神戸大学国際文化学研究科 中会議室A403
講師:
田口 武史 氏(長崎外国語大学 教授)
コメンテータ:
野上 俊彦 氏(神戸大学国際文化学研究科 博士課程後期課程)
概要:
ドイツでは、18 世紀末から19 世紀初頭にかけて「国民」を表す語が“Nation” から “Volk” へと変化した。すなわち、啓蒙主義の時代には“Nation” と称していた「国民」を、ロマン主義の時代では好んで “Volk” と呼ぶようになったのである。この変化は、とりもなおさず国民観の変化、あるいは「我々」意識の変化である。
同時期に神話に対する関心のあり方も変わった。従来、もっぱらギリシア神話が研究の対象とされてきたのに対し、ロマン派はむしろ北欧神話やインド神話に強い関心を示し、そこに「我々」のルーツを探ろうとした。「ゲルマン」や「インド・ヨーロッパ」という新しい枠組みに、アイデンティティのよりどころを求めたのである。
この二つの変化を照らし合わせつつ、近代ドイツにおいて知識人が神話に仮託して描き出そうとした「我々」の姿を洞察することが、本発表の狙いである。まず “Nation” から “Volk” への推移を概観したうえで、ロマン派のJ. ゲレス、J. グリム、F. シュレーゲルの神話研究を具体的に検討する。
※ お昼を挟んでの会となりますので、昼食は各自ご用意いただくか、ご希望の方は事前にお申し込みをいただければ実費にて仕出し弁当の発注を承ります。
※ また終了後には懇親会の代わりに会場にてティーブレイクの時間をもうけますので、そちらにもひきつづきご参加いただける方は500円のご負担をお願い申し上げます。
◆ 問い合わせ先:
清川 祥恵 (神戸大学国際文化学研究推進センター・協力研究員) kiyokawa[at]pearl.kobe-u.ac.jp ※ [at] をアットマークに変えてください。