近現代における「神話」の史的展開と今日的意義
代表者
- 清川 祥恵(協力研究員)
分担者
- 植 朗子 (協力研究員)
- 南郷 晃子 (学術研究員)
- 馬場 綾香 (国際文化学研究科 博士課程後期)
プロジェクトの目的
本プロジェクトは、平成26年度「神話研究史における近代〈神話学〉の特性の解明」、平成27年度「近代〈神話学〉の発展と〈神話〉概念拡大の思想的背景の解明」、平成28年度「近代〈神話学〉の発展と〈神話〉機能の展開」での成果を基礎として、新たに現代の状況および世俗文学との関わりについての視座をくわえ、今日にいたるまでの「神話」という概念そのものの通史的展開をつまびらかとし、その社会的重要性を剔出するものである。
近代的「世俗文学」の成立によって神話は、一文学ジャンルへと相対化された。以降の神話は、それ自体が単に固有の宗教的伝統や民族性を語る重要性を持つのみならず、「世俗文学」の淵源としてつねに今日的な語りと関連づけて参照され、地域・時代に限定されない(あるいは、意図的に限定された)意義をもちうる概念へと整備されてきた。「神話」をめぐる研究は、これまで地域・文化ごとの領域に細分化して行われることがほとんどであったが、本プロジェクトでは、諸文化圏における神話をめぐる動きを、「近代」を共通の転回点としてとらえ直す。