ベトナム難民の家族史に関するオーラルヒストリー研究

 

代表者

    •  野上恵美( 神戸大学国際文化学研究科・協力研究員)

分担者

    •   落合知子(国際人間科学部・准教授)
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プロジェクトの目的

 本プロジェクトは、難民として海外移住した家族・親族を持つ人びとのオーラルヒストリーを収集し、申請者らがこれまで収集した日本に居住するベトナム難民のオーラルヒストリーと重ね合わせることによって、日本に居住するベトナム難民の家族史をベトナムの社会的・文化的文脈に沿いつつ明らかにすることを目的にしている。
 申請者らは、神戸市長田区に居住する在日ベトナム人の生活支援や母語教育支援に関わっている。支援活動をとおしてさまざまな理由で来日したベトナム人と関わりを持つ機会を得ることができ、その中には40年前に来日したベトナム難民やその家族も含まれている。近年、ベトナム難民は、被支援者としてではなく、支援者と被支援者であるベトナム人をつなぐ媒介者としての役割を果たしている。さらには、ベトナム難民は家族・親族集団内においても、呼び寄せの際や各種賃貸契約の際の保証人になったりしており、ベトナムに居住する家族・親族への影響力が大きいと思われる。
 そこで、難民として移住してから40年が経過してもなお、ベトナムにいる家族・親族との関係性を深めつつある現在的な状況に着目し、ベトナム難民および家族の生存戦略について双方のオーラルヒストリーを読み解くことによって考察する。


 
 
研究会等の情報