「女性のアクティべーションとケイパビリティに関する研究-生活困窮予備軍の若年女性の社会的包摂のあり方と課題」第2回研究会

潜在能力開発論(ケイパビリティ)を考える

プロジェクト主旨

若年者(概ね20~34歳ないし39歳)の自律と就労において、EUなどの諸外国では、潜在能力の開発と社会的な投資の重要性が注目されているが、日本では、施策展開上の課題として、自律と就労の支援が縦割りで行われ、包括的な支援が行われていない課題、施策の対象として、若年者が男女一体で捉えられてきたなどの課題がみられる。こうした課題を受けて、主に、若年女性の自律や就労面の特性を踏まえた上で、社会や労働市場への参加が困難な、生活困窮予備軍になる可能性のある若年女性に着目し、自律と就労の実現に向けた包括的な支援のあり方について、理論的及び実証的に検討する。

<日時> 

2015年9月16日(水) 17:30~19:30

<会場> 

⽴命館⼤学大阪キャンパス・第2室 (大阪市北区小松原町2番4号/大阪駅・梅田駅から徒歩3~5分、富国生命ビル5階)

<内容> 

社会政策研究において、潜在能力開発論(ケイパビリティ:自らが福祉を実現できる選択可能な機能の組み合わせのこと。またその能力)の重要性に関する言及がみられるものの、想定されている地域は主に後進国で、先進国での適用について十分に検討されてきたとはいえない。就労だけではない広く社会参加の意義にも注目し、包括的な支援の可能性と今後の課題を検討する上で、潜在能力開発論は、QOL(生活の質)の観点からも、重要な理論だと考えられる。報告1では、主に、アマルティア・セン著(1988)『福祉の経済学‐財と潜在能力』岩波書店に依拠して理論の検討を行う。報告2では、主に、マーサ・ヌスバウム/アマルティア・セン編著(2006)『クオリティー・オブ・ライフ‐豊かさの本質とは』里文出版に依拠して理論の検討を行う。

報告1

『福祉の経済学-財と潜在能力』に依拠した検討(協力研究員 天野敏昭

報告2

『クオリティー・オブ・ライフ』に依拠した検討(協力研究員 大村和正)

<研究員プロジェクト参加者> 天野敏昭、大村和正(いずれも協力研究員)
<問い合わせ先> 天野敏昭 amanoto1016[あと]gmail.com  
※[あと]を@に変えて下さい。