国際文化学研究推進センター 2017年度研究プロジェクト
「映像メディアにおける注意と情動に関する領域横断的研究」 第3回研究会
 

映像・注意・瞬目

日時:

 平成30年3月20日(火)13:00〜17:00
 

会場:

 神戸大学大学院国際文化学研究科 学術交流ルーム1(E棟410号室)
 

13:00 中野珠実(大阪大学大学院生命機能研究科)
「人はなぜ瞬きをするのか?」

我々は3秒に1回の頻度で瞬きをしている。目を潤すためには15秒に1回で十分なことから、なぜそんなに頻回に瞬きをするのか、100年以上にわたる大きな謎である。どんなときに瞬きをするのか、その時に脳の中で何が起きているのか、瞬きは他者にどんな影響を与えるのか、についての研究成果を紹介する。
 

14:15 松本絵理子(神戸大学大学院国際文化学研究科)
「恐怖への注意は抑制可能か?」

生存を脅かす対象への注意は短時間で無意識的、自動的に移動することが知られているが、この注意の特性は天敵などから身を守る上で重要な役割を担っていると考えられている。恐怖対象には、直接的に危害を加えうるもの(凶器、有毒な生物等)、社会的な脅威を示す表情(怒りや恐怖等)に加えて、ホラー映画で用いられるようなフィクションのモンスター類も含まれる。これらの恐怖感情を生起させうる刺激を、課題目的とは無関連に呈示し、注意の自動的な補足がどの程度抑制可能かを検討し、その成果について報告する。
 

14:40 橋本英治(神戸芸術工科大学芸術工学部)
「まんがは読むものなのか、見るものなのか」

視線研究の論文を読むと、そこに一つの瞠目する一文があります。「視線は嘘をつかない」。確かに、見たくないもの(見たいもの)を見てしまうことが往々にあります。人はどのような規則で何を見るのか。さらに、見ることの一部である読むこととの関係を「まんが」を題材に考えてみます。
 

15:05 板倉史明(神戸大学大学院国際文化学研究科)
「小津安二郎における注意の演出を測定する」

小津安二郎がフレーム内の演出を数センチ単位で厳密に構成していたことは、残されたスタッフの撮影台本などから確認できる。ただし、これまでの研究では、小津が観客の注意をどのタイミングでフレーム内のどこに向けようとしていたのかという演出の問題は本格的になされてこなかった。本発表では小津作品における注意誘導の演出の特徴について、視線測定実験の結果を踏まえて検討する。
 

15:30 山本忠宏(神戸芸術工科大学芸術工学部)
「バンドデシネのカラーリングにおける注意の誘導」

フランス・ベルギー圏におけるバンドデシネの制作過程において、カラリストというカラーリングに特化した専門職が存在する。カラリストは作家によって線画で描かれた原画をカラーリングする時、紙面上にコントラストをつけて読者の注意をひきつける。本発表では、このようなまだあまり着目されていないカラリストの作業過程を紹介するとともに、日本のまんが紙面における構成と比較しながら注意について検討していく。
 

16:10 全体ディスカッション

 

17:00 終了

 
 

アクセス:

詳細は、以下のサイトをご覧ください(http://www.kobe-u.ac.jp/guid/access/rokko/turukabuto-dai1.html)。
 
 

主催:

神戸大学国際文化学研究推進センター研究プロジェクト「映像メディアにおける注意と情動に関する領域横断的研究」(研究代表者:板倉史明)
 

問い合わせ先
板倉史明 (itakuraアットマークpeople.kobe-u.ac.jp)

 
 


 
 
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