近代「神話学」の発展と
「神話」概念拡大の思想的背景の解明

 

代表者

分担者

概要

 本プロジェクトは、近代を契機に多様化していく「神話」のテクストを研究の対象とし、18世紀以降の「神話」概念と「神話学」発展との関係性につ いて明らかにするものである。研究代表者および分担者は、昨年度すでに「神話研究史における近代〈神話学〉の特性の解明」という研究題目で共同研究を進め てきた。昨年度の成果をふまえ、本年度は、近代の現象である「神話」概念の拡大を取り上げる。「かつて〈神話〉と認められなかったもの」が、「神話」ある いは「神話に類する伝承」として受容されるに至った過程とその要因に注目する。神話体系へと包摂されていく「伝承」の多様性をふまえ、自文化に属さない諸 神話の受容、そして「神話」を模して再解釈・創出された文学の役割についても検討する。旧来の神話の定義には含まれなかった「伝承」が、「神話学」の対象 として取り込まれる中で生まれた、新たな神話研究の手法について論じ、拡大していく「神話」概念とその思想的背景について明らかにしたい。