移住者にとっての境界線と人権


What Do Borders and Human Rights Mean for Migrants? 
 
日本側代表者:
桜井 徹(神戸大学国際文化学研究科教授)
 
相手国側代表者:
Kolja RAUBE  (Senior Researcher, Leuven Centre for Global Governance Studies, University of Leuven)
 

平成28年度の研究交流活動計画  


基本的人権の根拠がますます普遍的な人間的属性に置かれるようになった一方、主権原理に基づく国家の入国管理権が自明視されている現代世界では、各々の主権国家は、「境界線を乗り越えようとする移住者をいかに処遇すべきか」という難題に直面している。とりわけ自由民主主義国家は、移動の自由や社会権という人権を、国民の成員資格の“限界”と何とか折り合わせなければならない。普遍的人格と個別的なナショナル・アイデンティティとを基礎とする2つの矛盾する倫理的要請をいかにして調整できるのか。現代のEU 諸国も突き付けられているこの課題に、私たちは今年度、神戸と釜山にて開催される共同討議の場で相互批判を重ねつつ、多くの当事者がより納得できる解答を練り上げていく予定である。
 

平成28年度に期待される成果


神戸で今秋に開催予定のキックオフ・シンポジウムでは、日欧亜の主要な研究機関の研究者が、まずはお互いの問題設定と基本的価値観を持ち寄り、研究者相互で規範的課題を少しでも多く共有できるように試みる。また、それから半年後に釜山で開かれるワークショップでは、半年間の研究と思索の成果を相互に明らかにすることを通じて、上掲の理論的課題をいっそう明確化・先鋭化することを目標としている。
 
以上の相互研鑽のプロセスを経て、今年度は、日欧亜の諸国が共有する規範的窮地に対処するための適切な方向性を打ち出し、政策提言を含めた研究成果の追究へと前進することが期待されている。

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