国境を越える親密性/公共性


Intimacy/Publicness beyond Borders
 
日本側代表者:
青山 薫 (神戸大学国際文化学研究科教授)

相手国側代表者:
Sureeporn PUNPUING (Associate Professor, Mahidol Migration Center, Institute for Population and Social Research, Mahidol University) 
 
 

平成28年度の研究交流活動計画  


ケアをめぐる関係と労働がグローバル化し、「再生産様式の転換」とも呼ばれる事態が進行するなか、近代市民社会成立以来の公私――公的世界と親密な関係性――の区別が揺らいでいる。一方、ケアを社会の周縁に位置づける傾向と移民・移住者を他者化する傾向が、同時に激化しているようにも見える。こういった、人の移動がもたらす歴史的な転換と軋轢に際し、当課題では、具体的に 1)家事労働、介護・看護労働、性労働、結婚にかかわる移民・移住研究、2)「移民」の表象の研究 というテーマを設け、28年度は、神戸と釜山でのシンポジウムを通じて、それぞれの研究の日欧亜における現在までの蓄積を比較する。そして、各地で何が起きているのか、差異および類似点は何か、差異や類似の要因は何かを検討し、今後の研究方針を定める。また、次世代セミナーも利用し、これら2つのテーマについて次世代研究者とも知見を交換する。
 

平成28年度に期待される成果


上述の2つのテーマについて、日欧亜各地で今日もっとも大きな社会問題と化しているイシュー/現場を特定し、他の課題の共同研究とも協働しつつ、29年度から31年度にかけて実施する研究計画を立てる。EUとアジアにおいては域内のケア関係・労働移動が、日本においては「国家戦略特区」における外国人「家事支援人材」の活用をめぐる動向が、そしてこれらの結果としての各地での性規範、家族規範、社会階層構成の変化が、とくに注目されよう。

研究会情報