神話研究史における近代「神話学」の特性の解明

 

代表者

分担者

    • 清川 祥恵(協力研究員)
    • 南郷 晃子(協力研究員)
    • 潘 寧(協力研究員)
    • 馬場 綾香(博士課程後期課程)

 

概要

本プロジェクトは、神話研究史における近代の「神話学」の特性について明らかにすることを目的とする。プロジェクトメンバーがそれぞれのフィール ドにおいて、「神話」と「神話化された民間伝承」を取り上げ、近代の「神話学」研究の手法を用いてそれを論じ、各論を構成する。
「神話」は民族の世界観や宗教意識を「物語の形式」であらわすもので、「神話」から「伝説」・「昔話」・「メルヒェン」などが派生したと理解され ている。近代以降「神話学」には、デュメジルによる「神話構造」の体系化、ヴィツェルによる「神話の連続」の比較など、神話研究に新しい手法が取り入れら れてきた。しかし、本プロジェクトでは、近代「神話学」を単なる「神話」解釈の方法論としてとらえるのではなく、近代の「神話学」それ自体の中に、精神史 的な特徴が含まれると考える。近代の「神話学」の発展は、文化の多元性と人々の意識の多層性とを紐解くきっかけとなった。その点を踏まえ、近代の「神話学」が精神史上どのような意味をもつのか明らかにしたい。