地域連携活動の実践を学ぶ
アートマネージメントによる社会貢献への取り組み
異文化研究交流センター・アートメネジメント地域連携部長
藤野一夫教授(芸術文化論コース)
アートマネジメントは、まだ新しい教育分野です。芸術と社会と橋渡しする仲介者を育てることが目的ですが、国際文化学部では、国際文化交流を重視したアートマネジメント教育を実践しています。また芸術によって社会の持つ潜在能力の向上を支援することもアートマネジメントの重要な役割です。そのためには、文化施設、文化団体、行政、支援企業などを結ぴつけ、各分野にアートの公共的価値を説明しながら芸術運営をしていく専門的職業人、つまりアートマネジャーが必要です。こうした役割を果たす人格を養成するために、国際文化学部では、講義と実践活動を組み合わせたブログラムを4年間にわたって提供しています。「アートマネジメント論」、「芸術文化環境論」、「芸術文化形成論」、「文化施制度論」、「文化行政論」などを学びながら、「アートマネジメント実習」、「アートプロデュース」などの実践科目と連携して、国内外から気鋭の芸術家を招いて開催する「神戸国際芸術祭」を企画・運営します。神戸大の六甲ホールや近隣の施設を用いた「神戸大コミュニティーコンサート」も定期的に企画・運営し、大学と地域を結ぶ異文化交流の場として定着しています。また単位互換制度に基づく海外留学の経験を踏まえたグローバルな視点でのアートマネジメント教育には、他大学には見られない国際文化学部の大きな特徴があります。
芸術祭2011 シューベルト「ます」 |
合唱 |
アジアこども国際映画祭
異文化研究交流センター・多文化共生地域連携部長
岡田浩樹教授(異文化関係論コース)
IRECでは、兵庫県国際交流協会との地域連携活動(Oxbridge English Summer Camp)、在日外国人諸団体との連携活動(神戸定住外国人支援センターなど)、そして南あわじ市との地域連携活動など、多様な地域連携活動を行っています。
2011年度には、南あわじ市との地域連携活動の一環として、「アジアこども国際映画祭」(南あわじ市、外務省、文科省、法務省などとの共催)を実施いたしました。これは、日本国内の小・中・高等学校、施設、そしてアジア11の国・地域の学校から出品された映像作品を中心とした国際映画祭です。
国際文化学研究科・学部生は、2010年度の映画祭受賞作品に関する『アジアこども国際映画祭解説書』の作成にあたりました。大学院修士学生12名、研究生学部生23名の計35名(うち留学生9名)が「作品概要」「作者へのメッセージ」「作品の舞台となった地域」「作品の社会・文化的背景」を分担執筆しました。加えて12月3日の映画祭当日にポランティアとして運営のサポートにあたり、地域のボランティアスタッフと共にアジア諸地域からの120名の海外参加者のアテンドなどを行いました。『解説書』の執筆を通じて、学生たちは日本やアジアのさまざまな地域の家族をめぐる今日の諸問題について理解を深めることができ、またボランティアを通じて地域の人々との交流を深め、地域社会の国際化に貢献しました。
「アジアこども国際映画祭」 |
アジアこども国際映画祭解説書 |