15の多様な専門コース

グローバル文化専攻・言語情報コミュニケーション系
感性コミュニケーションコース

最終更新日 2017年8月22日

コースの紹介

研究科パンフ写真(感性) copy  人とひとの間のコミュニケーションにおいて要求されることの一つは、気持ちが通じあうことでしょう。しかし実際のコミュニケーション場面においては、たとえば「言葉は通じているのに気持ちが通じていない」と思える場合があります。この場合、「気持ちは通じていないか」「言葉(音声)は本当に通じているか」といったベーシックな問題について検討する必要があります。感性コミュニケーションコースは、コミュニケーションの過程を音声生成など身体的なプロセス、心理学・脳科学など認知的なプロセスの水準から探求します。またネイティブの発音に近い発音を可能にする方策、対人関係を改善する技法といったプラクティカルな問題についても学生諸君と一緒に研究を行っています。

 
進路実績

(前期課程) (株)ユニクロ、アステラス製薬、イーオン、ATR Learning Technology、(中国の国立)中国銀行、神戸市(上級行政職)

(後期課程) 神奈川県科学捜査研究所、大阪大学言語文化研究科、国立障害者リハビリテーションセンター研究所、日本学術振興会特別研究員(PD)、武漢大学

在籍学生数

(前期課程) 8名

(後期課程) 10名

論文テーマ例

(前期課程)
注意、ワーキングメモリ、情動、視覚認知、表情、日本語音声コミュニケーション、外国語発音における母語干渉、Eラーニング、社会的知性、動物心理

(後期課程)
数表象、プライミング、視覚的注意、外国語音声習得のメカニズム、音声の産出と知覚

所属教員の紹介

林 良子 教授 言語行動科学論特殊講義ほか
音声科学・心理言語学。日本語や諸外国語における音声の特徴や、外国語を学ぶときの発音の困難点などについて実験的手法を用いて研究しています。言語障害や言語発達、各国における音声コミュニケーションの教育方法の比較についても興味があります。

米谷 淳 教授 対人行動論特殊講義ほか
対人コミュニケーション・実験心理学。対人相互作用はジレンマとパラドックスの宝庫であり、誤解、誤情報、意思不通、不信・不審がキーワードです。こじれやすく、扱いにくく、かといって軽視できない対人コミュニケーションの世界を主に行動科学的アプローチにより探ってみませんか。対人技能訓練、 表情と感情の文化比較の研究に取り組んでいます。

松本 絵理子 教授 コミュニケーション認知論特殊講義ほか
認知心理学、神経心理学。人間がどのようにしてものを見たり、感じたり、記憶したりしているのかについて関心があり、それを心理行動実験や脳活動の計測によって明らかにして行きたいと考えています。近年では特に、人間がどのような対象に注意を向けるのか、不安や緊張などの個人特性が認知過程に及ぼす影響はどのようなものか等について取り組んでいます。

水口 志乃扶 教授 言語インターフェース論特殊講義ほか
意味論、プロソディ研究。意味論の研究では、特に「数の概念」の対照研究に興味があり、方法論としては形式意味論を用いて言語の普遍性をとらえようとしています。また、英語と日本語のプロソディの音声と認知をインターフェースの観点から研究をしています。

山本 真也 准教授 非言語コミュニケーション論特殊講義ほか
比較認知科学・進化心理学。究極のテーマは「人間とは何か」を知ることです。そのためのアプローチとして、ヒトが特に発達させてきた社会的知性の進化と文化について調べています。主なキーワードは、共感・他者理解・協力・社会規範。ヒト・チンパンジー・ボノボをはじめとする種間比較を中心に、実験心理学とフィールドワークを組み合わせて研究しています。

 

所属学生からのメッセージ

山中隆史(博士後期課程1年)

京都大学法学部卒業。
研究テーマは「非対称的情報場面における交渉に関する実験的研究」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA★メッセージ
   現在、私はビジネススクールで教員をしています。対人コミュニケーションにおいて、表情やしぐさといった非言語も大きな影響がありますが、法則や適切な方法の訓練の機会は殆どなく、何らかの教育訓練プログラムにつなげたいとの思いから入学を決意しました。本コースでは、研究分野に関する高度な専門知識を学ぶことに加え、様々な専門分野の先生から学べる機会があり、多面的に考察しながら研究を深めることができます。自らの研究に関しては、指導教官の先生が、初歩的なことから熱心に親身になって丁寧に指導くださいますので、段階的に無理なく研究を進めていくことができます。また、院生室もあり、心地よい雰囲気の下、国籍や年齢も様々な学生同士の交流を通じて切磋琢磨しながら研究できる環境が整っています。こうした恵まれた環境の下、一緒に研究をしてみませんか。

 

藤村 彩央里さん(博士前期課程2年)

岡山大学文学部卒業。
研究テーマは「フランス人日本語学習者の言語行動に関する研究」

★メッセージ
 私は、日本語教員養成サブコースを履修しながら、フランス語および日本語を対象とした対人コミュニケーション研究を行っています。現在は、フランス人日本語学習者が、自分の母語であるフランス語と学習言語である日本語で話すときにどのような言語行動の違いが現れるのかを研究しています。学部時代は言語学を専攻していましたが、文字言語だけでなく自然発話をデータとして、音声やジェスチャーなどより多面的な角度から勉強したいと思い、大学院に進学しました。本コースには、言語学や音声学、心理学といった多彩な領域の先生がいらっしゃり、自分の専門はもちろん他分野まで、興味の赴くままに刺激の多い学びができます。また院生室には様々なバックグラウンドをもつ学生が在籍しており、各々の研究や関心も多様だからこそ、互いの研究についての相談や意見交換を通して新たな観点を得ることができます。このような本コースの強みを感じながら、日々充実した大学院生活を送っています。

 
 

 

 

 

修了学生からのメッセージ

ポーティスィッティポーン・ティッパーヤーラット(Pothisitthiporn Tippayarat)さん
(2014 年博士前期課程修了)

タイChulalongkorn大学文学部卒業。神戸大学国際文化学研究科博士前期課程修了。
研究テーマは、“The Comparative Study on Facial Expressions and Display Rules between the Thai and the Japanese, with a Focus on Smiles”。
現在、タイにおける日本企業での勤務

研究科パンフ写真(ベストさん)★メッセージ
 
微笑みの国・タイからの留学生です。私は、タイ人と日本人の表情、中でも“微笑み”についての比較研究を行いました。タイ人と日本人大学生を対象に微笑みを中心に表情についてインタビュー実施し、表情を表出してもらい、それを動画に撮りました。その後、インタビュー内容と表情を分析し、タイ人と日本人の微笑みの使い方と微笑む時の文化的要因を検討しました。研究科では、心理学・言語学・統計学など様々な分野の講座に出席することができるため、自分の視野を広げながら、研究を進めることができました。
 院生室は、いつも明るい雰囲気でした。様々な国から来た先輩と友達が相談に乗ってくれたり、勉強や日本での生活を励ましてくれたりしました。研究面では大変な時もありましたが、私にとってとても貴重で素敵な3年間で、思い出すたびに、つい微笑んでしまいます。皆さんも少しでも興味がありましたら、いつでも院生室を訪れてみてください。

 

阿栄娜(2013年博士後期課程修了)

内蒙古大学・関西国際大学卒業。神戸大学国際文化学研究科博士前期課程修了。神戸大学国際文化学研究科博士後期課程修了。
研究テーマは、「日本語発音習得におけるシャドーイング訓練の効果」。現在、国立障害者リハビリテーションセンター研究所流動研究員。

研究科パンフ写真(アエイナさん)★メッセージ
  私が11年前に初めて日本に来たとき、留学生5人でルームシェアしていました。全員の母語がばらばら(韓国語、朝鮮語、中国語、モンゴル語)なので、共通のコミュニケーション手段は日本語でした。その日本語の発音にそれぞれの母語特有のクセがでます。なぜ同じ日本語を話しているのに、こんなに違って聞こえるのだろう。それを知りたくて、大学院に進学することにしました。
 大学院では音声学を専門的に勉強し、先生方のサポートを受けながら音声を客観的に分析する技術を身につけることができました。博士前期課程に入学当初は、後期課程へ進学することは考えていませんでした。しかし、勉強しているうちに研究の面白さに魅了され、博士課程に進むことを決めました。そして、今では研究員として吃音の研究に携わっています。
 神戸大学は留学生対象の奨学金が充実しているので、研究に専念することができる大学だと思います。感性コミュニケーションコースの大きな魅力・特徴は、他・多分野の研究が身近で学際的な雰囲気に溢れていることです。多分野の知識や研究方法を頭に入れておくと、いつかきっと大いに役に立つ時が来ます。研究はなかなか地味で孤独な道です。しかし、努力すれば、きっと報われる時が来ると信じ、今も日々がんばっております。

 

 

qa

感性コミュニケーションというのは、スタッフを見ると、心理学や脳科学と、言語学、コミュニケーション論などを全部勉強していないと、ダメなのでしょうか。

そんなことはありません。とりあえず、どれか、で結構です。

言語について研究したいと思っているのですが、このコースと言語コミュニケーションコースはどう違うのですか?

感性コミュニケーションでの言語研究は、自然に発話されたデータや、様々な機器を使って実験的に計測を行ったデータを主に扱います。またパラ言語と言われるいわゆる伝統的な言語学ではあまり扱われてこなかった分野(例えばため息、沈黙、声の音色など)や視覚情報(目線、表 情、口の形、ジェスチャーなど)も含めて研究したいという方、実験して色々測ってみよう! という方には当コースをお勧めします。

脳の研究をやりたいのですが、どんなことが可能ですか?

感性コースでは、脳波計、光トポグラフィーを使って脳機能計測実験を行うことができます。もちろん、精密に計画して組んだ心理学実験によって、認知情報処理が脳内でどのように行われているかを検討することも可能です。チャレンジをお待ちしています!

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