15の多様な専門コース

グローバル文化専攻・言語情報コミュニケーション系
感性コミュニケーションコース

最終更新日 2020年7月14日

コースの紹介

研究科パンフ写真(感性) copy  人とひとの間のコミュニケーションにおいて要求されることの一つは、気持ちが通じあうことでしょう。しかし実際のコミュニケーション場面においては、たとえば「言葉は通じているのに気持ちが通じていない」と思える場合があります。この場合、「気持ちは通じていないか」「言葉(音声)は本当に通じているか」といったベーシックな問題について検討する必要があります。感性コミュニケーションコースは、コミュニケーションの過程を音声生成など身体的なプロセス、心理学・脳科学など認知的なプロセスの水準から探求します。またネイティブの発音に近い発音を可能にする方策、対人関係を改善する技法といったプラクティカルな問題についても学生諸君と一緒に研究を行っています。

 
進路実績

(前期課程) ユニクロ、アステラス製薬、イーオン、ATR Learning Technology、(中国の国立)中国銀行、神戸市(上級行政職)、航空大学校、島津製作所(上海)

(後期課程) 神奈川県科学捜査研究所、大阪大学言語文化研究科、国立障害者リハビリテーションセンター研究所、日本学術振興会特別研究員(PD)、武漢大学 パナソニック、京都精華大学、情報通信研究機構(NICT)

在籍学生数

(前期課程) 6名

(後期課程) 3名

論文テーマ例

(前期課程)
注意、ワーキングメモリ、情動、視覚認知、表情、音声コミュニケーション、外国語発音における母語干渉、Eラーニング、社会性、音楽的コミュニケーション、マルチモーダル分析

(後期課程)
数表象、プライミング、視覚的注意、外国語音声習得のメカニズム、音声の産出と知覚、ポライトネス

所属教員の紹介

林 良子 教授 言語行動科学論特殊講義ほか
音声科学・心理言語学。日本語や諸外国語における音声の特徴や、外国語を学ぶときの発音の困難点などについて実験的手法を用いて研究しています。言語障害や言語発達、各国における音声コミュニケーションの教育方法の比較についても興味があります。

米谷 淳 教授 対人行動論特殊講義ほか
対人コミュニケーション・実験心理学。対人相互作用はジレンマとパラドックスの宝庫であり、誤解、誤情報、意思不通、不信・不審がキーワードです。こじれやすく、扱いにくく、かといって軽視できない対人コミュニケーションの世界を主に行動科学的アプローチにより探ってみませんか。対人技能訓練、 表情と感情の文化比較の研究に取り組んでいます。

松本 絵理子 教授 コミュニケーション認知論特殊講義ほか
認知心理学、認知神経科学。人間の知覚、行動、記憶、注意といった認知活動について、心理実験や脳活動計測などの手法を用いて研究しています。特に、注意について、不安やストレスなどの個人特性が及ぼす影響や、どうして表情や恐怖の対象には注意が素早く向けられるのか、等について関心があります。コミュニケーションの背景にある人間の行動や認識の傾向を認知心理学的というのぞき窓を通じて探ってみませんか。

巽 智子 講師 コミュニケーション文法論特殊講義ほか
第一言語習得、心理言語学。私たちはどのように言語を習得するのか、を中心のテーマとして研究をしています。また、言語変化、発達語用論、コミュニケーションと言語の関係など色々なテーマに関心があります。実験やコーパスデータの分析を通じて言語を探る、活発な研究の場を創りたいと考えています。

正田 悠 助教 非言語コミュニケーション論特殊講義ほか
演奏科学・感性情報心理学。人間の複雑なインタラクションに関する「心理」、「行動」、「生理」の3種の時系列データを取得し可視化することによって、人のコミュニケーションにおける感性情報の役割を調べています。具体的なテーマとして、音楽演奏における演奏者と鑑賞者の間のダイナミクスや対人コミュニケーションにおけるマルチモーダル性(言語情報と非言語情報の相互作用)に取り組んでいます。

南本 徹 助教 言語インターフェース論特殊講義ほか
言語学、歴史言語学、印欧語研究、古代ギリシア語研究。主に古代ギリシア語の方言を研究しています。古代ギリシア人はそれぞれ地元の方言を使っていたので、各地の碑文を比べるとそれぞれの方言の特徴や歴史的背景を探ることができます。その他、「人間の言語はどれくらい多様であり得るのか」にも興味があり、少しずつ日本手話を勉強しています。

 

所属学生からのメッセージ

李 歆玥さん(博士後期課程3年)

大連外国語大学日本語学部卒業。
同大学大学院日本語言語文学研究科博士前期課程修了。
研究テーマは「感情音声の生成と知覚̶̶日本語母語話者および中国語を母語とする日本語学習者を対象に̶̶」

★メッセージ
   私は、感情音声に関心があり、学習者と母語話者での違いを知りたいと思い本コースへの入学を決めました。研究の壁にぶつかるたびに、音声学の先生からの心強い指導のみならず、心理学や教育学の先生からも別の視点からのご指導をいただきながら、自身の研究テーマを見直しています。それと同時に、異なる研究分野を超えて、院生同士で研究について語り会えるのはお互いの研究への刺激となり、考えを深めていく上でも大変貴重だと実感しています。
 このように、本コースの魅力は言語、パラ言語、非言語行動の境界を超えて、多角的な視点から深く学べるよう研究環境が整っていることです。その上、本大学は多数の海外大学と協定を結んでおり、院生でも留学できるチャンスを得られることも魅力的です。このような環境でこれからも感性コースで一歩ずつ研究を進めるよう頑張っていこうと思います。

 

聶 夢叶さん(博士前期課程2年)

河北大学日本語学部卒業
研究テーマは「孤独感高い大学生の社会的スキルの特徴̶中国の大学生と日本の大学生を対象に̶」

★メッセージ
 私は2年前に留学のために中国から日本に来ました。対人コミュニケーションに興味があ ったので感性コミュニケーションコースに進学しました。最初は専門知識や日本語能力がまだ十分でなくいろいろ苦労しましたが、先生方に丁寧に指導していただきました。現在、日本人と中国人の非言語コミュニケーションに関する比較研究をしています。
 感性コミュニケーションコースでは、心理学だけでなく脳科学や言語学も勉強することができます。また、統計学や情報科学などいろいろな分野のゼミに参加する機会があり、研究に大いに役立っています。
 研究室に中国人が多く、いろいろなサポートを受け、院生としての生活にすぐ慣れることができました。また、いつも先輩や友達と話し合って研究や生活に関する悩みを相談して、明るい学生生活を送っています。貴重な留学生活なので、毎日頑張ってたくさんの知識や能力を身に付けようと思っています。

 

 

 

 

修了学生からのメッセージ

宿利 由希子さん(2018 年度博士後期課程修了)

群馬大学社会情報学部卒業。東北大学文学研究科博士前期課程修了。神戸大学大学院国際文化学研究科博士後期課程修了。研究テーマは「行為者のキャラに着目したポライトネス研究」。現在、京都精華大学特任講師。

★メッセージ

 韓国、香港、ロシアなどで日本語教育に携わってきました。非母語話者である日本語学習者が、教室で学んだ日本語を完璧に話しても、日本語母語話者が「何その言い方!」「失礼な!」と不機嫌になる場面に何度も遭遇し、なんとかしなければと神戸大学国際文化学研究科受験を決意しました。博士論文では、発信者がどのような
「キャラ(人物像)」かによって、受信者の評価が異なることを示すことができ、これまでの画一的な日本語教育の限界を指摘できたと思います。
 博士課程は、非常勤で日本語を教えながらという二足の草鞋の 3 年間でした。心配はありましたが、先生方のご指導や(年下の) 先輩方のご助言のおかげで、博士論文を書き上げることができました。感性コースでは、さまざまなご専門の先生方から多角的なご指摘をいただき、大変鍛えられました。
 大学、特に博士課程は自分で学ぶところだと私は思っています。どんどん学会で発表し、ばんばん論文を投稿して、研究を進めていってください。

 

川島 朋也さん(2018年度博士後期課程修了)

神戸大学国際文化学部卒業。神戸大学大学院国際文化学研究科博士前期課程修了。神戸大学大学院国際文化学研究科博士後期課程修了。
研究テーマは「注意制御機構の認知神経科学的研究」。現在,情報通信研究機構脳情報通信研究センター研究員。

★メッセージ
  ヒトがどのようにものを見たり記憶したりしているのかに興味があり,この感性コースに進学しました。ヒトの注意や記憶などは目に見えないものですが,心理実験や脳機能計測によってそのこころの活動に迫ることができます。本コースにはそのための行動実験室や脳波計測室などの充実した設備があります。また,ヒトを対象とした研究では,専門的な知識だけでなく,その周辺領域を含めた幅広い知識が必要です。その中で本コースは,さまざまな領域の先生から指導を受ける環境にあり,一つの学問領域に閉じこもることなく広く諸領域から自身の研究を見直すことができます。
 本コースにはさまざまな国や地域からの学生が集まります。多文化なバックグラウンドをもつ学生同士の交流は,自身の視野をいっそう広げてくれます。感性コースにご関心のある方は,研究室の訪問だけでなく,ぜひ院生室にもお越しください

 

 

qa

感性コミュニケーションというのは、スタッフを見ると、心理学や脳科学と、言語学、コミュニケーション論などを全部勉強していないと、ダメなのでしょうか。

そんなことはありません。とりあえず、どれか、で結構です。

言語について研究したいと思っているのですが、このコースと言語コミュニケーションコースはどう違うのですか?

感性コミュニケーションでの言語研究は、自然に発話されたデータや、様々な機器を使って実験的に計測を行ったデータを主に扱います。またパラ言語と言われるいわゆる伝統的な言語学ではあまり扱われてこなかった分野(例えばため息、沈黙、声の音色など)や視覚情報(目線、表 情、口の形、ジェスチャーなど)も含めて研究したいという方、実験して色々測ってみよう! という方には当コースをお勧めします。

脳の研究をやりたいのですが、どんなことが可能ですか?

感性コースでは、脳波計、光トポグラフィーを使って脳機能計測実験を行うことができます。もちろん、精密に計画して組んだ心理学実験によって、認知情報処理が脳内でどのように行われているかを検討することも可能です。チャレンジをお待ちしています!

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