15の多様な専門コース

グローバル文化専攻・言語情報コミュニケーション系
言語コミュニケーションコース

最終更新日 2020年7月14日

コースの紹介

  「ことば」は概念やメッセージを相手に伝える単なるコミュニケーションの手段であるだけではなく、人間の認知・思考・習慣とも密接に関わる文化そのものともいえます。 本コースでは言語構造や言語慣用に関する比較・対照分析を基に、外国人に対する有効な日本語教授法の探求、第二言語習得や翻訳・通訳における言語的文化的分析と方法論の開発、多種多様なレトリックの比較分析などを進め、グローバリゼーションの進展の中で今や不可欠になりつつある異文化間コミュニケーション上の諸問題の解決に積極的に取り組んでいます。基礎から応用に至る、言語コミュニケーションに関わる様々な講義・演習を通して、実践的応用能力あるいは教育・研究能力を持つ人材の養成を目指しています。

 
進路実績

(前期課程) 東京都立高等学校(英語教員)、大阪府立高等学校(英語教員)、兵庫県公立中学校(英語教員)、(株)資生堂、(株)シャープ、アップ教育企画、JR西日本関連会社、特許事務所他。

(後期課程)  天津外国語大学准教授、中国電子科技大学准教授、関西学院大学准教授、東京大学特任講師、他

在籍学生数

(前期課程) 14名

(後期課程) 6名

論文テーマ例

(前期課程)
バイリンガリズム、タイ語のモダリティ、日・仏語のフィラー、カタカナ表記語の社会言語学的研究、レトリック、説得、マンガのオノマトペ翻訳、日本語教育の社会的側面、日本語学習とオノマトペ、日本語の接続詞、他

(後期課程)
第二言語の形態統語の習得、複合動詞、日中同形漢語、フィクションのレトリック、物語論、ベトナムにおける日本文学翻訳、イデオロギーと翻訳、字幕翻訳、日本語教育の歴史、他

所属教員の紹介

ALBIN, Aaron 講師 比較・対照言語論特殊講義ほか
主に第二言語におけるイントネーションの習得を研究しています。その一環として、母語と対象言語のイントネーションの音韻構造を比較対照する必要があります。担当授業では一般言語学とその方法論(仮説検証や計量的手法など)について紹介します。原則として英語のみで授業を行います。

川上 尚恵 講師 日本語教育応用論特殊講義ほか
中国や日本国内を対象とした日本語教育史研究を主に行っています。学習/教育に関わる人々の実践や日本語教育の枠組みを史的な観点から分析することで、日本語教育の社会的意義や役割、あり方を問いたいと思っています。日本語教育の実践分野に関する研究も視野に入れており、特にノンネイティブの日本語教師養成について関心があります。

小松原 哲太 講師 レトリカル・コミュニケーション論特殊講義ほか
言葉の意味を効果的に表現するレトリックを、意味論、文法論、語用論を中心とした言語学の立場から研究しています。意味を理解し、ときに誤解する、私たち言語使用者の柔軟な解釈を重視する、認知言語学の理論を背景として、具体的な用例の収集、記述、分析にもとづく、言語のコミュニケーション機能の探求を行っています。

齊藤 美穂 准教授 日本語教育方法論特殊講義ほか
方言を含む現代日本語の文法を中心に研究をしています。また、外国人に対する日本語教育に携わってきたこともあり、日本語教育分野全般に関心を持っています。今後は、文法の研究を中心にしつつ、その成果を活かした日本語教材の開発や教授法の研究にも力を入れていきたいと思っています。

田中 順子 教授 第二言語習得論特殊講義ほか
第二言語習得(SLA)プロセスにおけるアウトプットとフィードバックの役割や、個人差(言語学習適性など)がSLA に及ぼす影響について研究をしています。また、第一言語(L1)には存在しない第二言語(L2)概念が、どのような過程で正しく(あるいは誤って)区分されてL2 形態にマッピングされるのかに関心があります。教室内での外国語学習のみならず、SLA やマルチリンガル環境下での言語習得とその問題点も扱います。

朴 秀娟 講師 日本語教育内容論特殊講義ほか
記述的研究の立場から、主に現代日本語を対象とした文法研究を行っています。留学生に対する日本語教育に携わっていることから、日本語教育や対照言語学の視点を取り入れた文法研究も行っています。特に、副詞に関心を持っており、副詞の意味・用法やその変化に関する研究、日本語教育における副詞の研究を中心に行っています。

藤濤 文子 教授 翻訳行為論特殊講義ほか
翻訳行為を異文化問コミュニケーションとして捉える機能主義的一般理論と、それを具体的な翻訳行為と翻訳事例(主に日独英語間)にどう応用するかがテーマです。翻訳において文化の差異をどう乗り越えて伝えるか、また受容者・メディア・目的などの要因が翻訳行為にどのような影響を及ぼすかに興味があります。

 

 

所属学生からのメッセージ

小前 勇悟さん(博士前期課程2年)

神戸大学国際文化学部卒業。
研究テーマ:「日本人英語学習者の英語の未来表現の理解について」

★メッセージ
 私は学部生の時に英語教員を志し、教職課程を取ったのですが、教育実習などを通して、なにがこれからのグローバル人材に求められていて、日本の英語教育はどこをゴールにして行っていくべきかということや、どのような教授法が現代の子どもたちに適しているのかということについて考えさせられました。それと同時に、自分の英語教育に関する知識不足や能力不足を感じました。そこで、英語教員になるにあたって、より専門的な知識の獲得や英語圏への留学を希望し、大学院進学を決めました。
 一口に英語教育に関する専門知識といっても、もちろんそれは文法に関するものだけでなく、音声に関するものや文化に関するもの、また日本語に関する知識や英語教育の変遷や現状、方法論なども含み、多岐にわたります。英語教育という観点だけでこれだけのものが挙げられるわけですから、「言語」は非常に多くの要素と関わっていることが分かります。本コースの授業は、「言語」に関する様々な内容が展開されており、自分の専攻分野以外の知識も身につけることが出来ます。授業では、授業で学んだ理論などに関する議論や発表が積極的になされており、自分の意見を伝える力や思考力、発想力が向上すると思います。授業だけでなく、学生主体で運営を行っており、気軽に意見交換ができるTaLCSと呼ばれる研究会も設けられており、研究の進め方に不安を持っている人や他学生との交流を希望している人の助けになると思います。また、研究室の雰囲気も和やかで、留学生も多いため、日々の交流を通して多様な分野や価値観に触れることができ、実りのある大学院生活を送ることが出来ると思います。

 

朱 藹琳さん(博士後期課程 3年)

広東工業大学日本語学部卒業。博士前期課程の研究テーマは「中国の日系企業における翻訳者の規範意識-異文化コミュニケーションとしての通訳・翻訳行為を中心に-」。

★メッセージ
  大学卒業後、中国の日系企業に翻訳・通訳者として入社して仕事をしてきました。そんな私が翻訳・通訳の現場で、異文化コミュニケーションにおける問題の解決策を探る中で、翻訳研究に出会いました。翻訳研究の世界は幅広く、言語学や社会学、文化学など様々な分野と関連し、いずれも実際の翻訳・通訳行為に深くかかわるものだと感じていて、「さらに勉強したい」、「翻訳研究をもっと多くの人に紹介 したい」という目的を抱え、留学を決意しました。そして、現在は、ビジネスジャンルを中心に、「翻訳規範」という概念について、実務 に基づいた研究を行っています。
 言語コミュニケーションコースでは、翻訳行為論以外に、日本語教育学・第二言語習得論・レトリカル論など豊富な授業が開設されており、授業で理論を学びながらほかの院生たちと議論を交わし、大いに勉強になっています。また、日本語教師サブコースのおかげで、他コースの方々と意見をシェアしたり、ペアで模擬授業をしたりすることによって、視野を広げることができました。さらに、授業のみならず、院生研究室でも交流の機会がたくさんあり、言語や各自の国の文化などの話題が尽きず、「カルチャーショック」を受けることも大きな楽しみです。
 この一年間、先生方のご指導をいただき、また同じコースの院生たちと遠慮なく質問・指摘し合いながら、楽しく有益な日々を過ごしてきました。これからも、学んだ知識と議論で得られた視点を研究に反映させ、互いに助け合いながら努力していきたいと思います。

 

 

修了学生からのメッセージ

藤原 優美さん(2013 年度博士後期課程修了)

四川外国語大学日本語学部卒業。神戸大学大学院国際文化学研究科博士前期課程・博士後期課程修了。
研究テーマは「日本語のサ変動詞とそれに対応する中国語の対照研究: 語構成の異同と文法的振る舞いを中心に」
現在、東京大学教養学部付属グローバルコミュニケーション研究センター特任講師。

★メッセージ
  外国語を学習する際、母語の知識が活用できれば、習得を促進することがあります。これは日本語や中国語においても同じです。日本語と中国語の中には、同形漢語が多数存在しているため、中国語母語話者が日本語に接した際にも日本語母語話者が中国語に接した際にも、漢語に親しみを感じると思います。在学中、私は日本語と中国語の対照研究、特に 2 字同形漢語について研究を進めました。ゼミでは、研究指導や報告などを通した議論が行われ、国内外の研究調査や学会報告なども先生方がフォローしてくださいました。私も指導の先生をはじめ、コース内の先生方からきめ細かなご指導をいただき、また生活面でも親切に相談に乗っていただきました。院生室では、毎日異文化コミュニケーションが体験できます。先輩方も同級生の仲間たちも仲がよく、助け合いながら一緒に歩んできました。
 このように、私は実りある豊かな大学院生活を送ることができました。国文言コミで過ごした 5 年間は私にとって、大切な思い出です。皆さんもぜひここで自らの夢に向かって頑張ってください。皆さんが充実した楽しい学生生活が送れることを願っています。

 

牟 鵬程 さん(2018 年度博士前期課程修了・研究者養成プログラム)

西南交通大学日本語学部卒業。神戸大学国際文化学研究科博士前期課程修了。研究テーマは「中国人留学生の達成ストラテジー使用とL2 日本語熟達度との関係について」。
現在、北京第二外国語学院成都附属中学校英語教師。

★メッセージ
 。来日してから、自分や周りの留学生と日本語母語話者との間の会話に注意を払うようになり、我々はどのようなストラテジーで日本語母語話者との意味伝達上の問題を解決しているのかに関心を持ちました。そこで、大学院に進学し、コミュニケーション・ストラテジーに関する研究を始めたのです。国際文化学研究科に進学し、人生のルールや正しい礼儀などについて指導教員に教えられ、これからの人生の宝物になると思いました。また、構想発表会、研究会TaLCS、中間発表会で本コースの多くの先生方から貴重な意見を頂き、自分の研究にとって大変役に立ちました。ここで、再び先生方に感謝の気持ちを表したいと思います。
 多様な授業科目が開設されていることと様々な研究方向を持つ先生が集まることが国際文化学研究科の一番大きな魅力です。私は大学院の授業で第二言語習得、日本語教育の講義から日本語模擬授業の実践にまで至り、さらには本コース以外の授業科目も履修し、言語だけでなく、芸術、歴史、統計など様々な科目で有意義な大学院の授業を楽しみ、多様な角度から研究や人生を考えることができました。
 最後に、中国のある有名な詩を皆さんに送りたいと思います。「长风破浪会有时,直挂云帆济沧海」(長風が荒波を突き破る時はきっと来る、船に帆を揚げてこの海原を渡らん)

 

 

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言語コミュニケーションコースの授業の特徴としてどのようなことが挙げられますか?

本コースの教員は、留学生に対する日本語教育や日本人に対する外国語教育について豊富な経験をもっています。したがって、教育経験に基づく疑問点・問題点が絶えず授業の中心にあり、問題解決を念頭においた授業を行なっています。

本コースではどのようにして修士論文や博士論文のテーマが決められているのでしょうか?

本コースでは、入学してきた学生の問題意識や関心・興味を第一に考えています。したがって院生は、指導教員と相談しながら自らテーマを決めることになります。

指導教員にしか論文指導をしてもらえないのでしょうか?

例えば前期課程では1 年次後期から2 年次後期にかけて、計3 回程度コースの教員・院生の前で修士論文・修了研究レポートの中間発表をする機会を設けています。つまり、修士論文・修了研究レポートの作成をコース全体でサポートする体制をとっています。

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