外国語教育コンテンツ論

最終更新日: 2026年06月30日

グローバル文化専攻・外国語教育系 外国語教育コンテンツ論コース

 外国語教育コンテンツ論コースでは、 新時代の外国語教育の創造に主体的に参画できる人材育成を目指し、外国語教育の内容・方法・展開に関わる研究を総合的に行っています。 本コースでは、 言語学(コーパス言語学・認知言語学・語用論・史的言語学)と教育学(授業論・指導法・教育工学) の学問的基盤をふまえつつ、特に、 教育現場での実践的展開を見据えた研究に精力的に取り組んでいます。 本コースにおいて、 外国語教育を取り巻く諸問題に多面的にアプローチする能力を付けた修了生は、 国内外の教育機関等で活躍しています。 本コースでは、学部時代の専門にかかわらず、外国語教育を通して社会のグローバル化に貢献しようとする意気込みにあふれた学生の受験を歓迎します。
 当コースでは、日々の研究指導の様子や、所属する院生・教員の活動状況をコースブログで発信しています。ぜひ一度、ご覧ください。

 

進路実績

(前期課程) 小学校教諭、中学校教諭(尼崎市・神戸市)、高校教諭(兵庫県・滋賀県・福井県・岡山県・鳥取県・沖縄県)、東京大学附属中等教育学校教諭、神戸大学附属中等教育学校教諭(2)、神戸女学院中高等部教諭、西大和学園中高講師、金沢大学非常勤講師、Sony Global Manufacturing Operations、(株)矢崎産業、(株)SONY Computer Entertainment, Taiwan、三菱電機、(株)白鳩(インターネット通販)、(株)日立ソリューション、富士通、野村総合研究所ほか

(後期課程) 外国人特別研究員(神戸大学)、近畿大学准教授、環太平洋大学教授、大阪大学准教授、広島国際大学専任講師、福井大学助教、筑波大学助教、神戸大学特任助教、大阪工業大学特任講師、関西外国語大学(非)、関西大学(非)、流通科学大学(非)、中南財経政法大学講師、山東科技大学講師、西安理工大学講師、中国東北大学講師、四川外国語大学講師、華南農業大学講師、豊田工業大学特別任用講師ほか

在籍学生数

(前期課程) 9名
(後期課程) 6名

研究科の中でも学生数の多いコースの1つです。助け合い、競い合って学べる環境が用意されています。

論文テーマ例

(前期課程) 
“Respecifying Accommodation in L2 interaction”
「CG キャラクタと音声認識を用いた外国語スピーキング練習システムの検討と開発」
「日本人英語学習者のライティングにおける英語習熟度とパラグラフライティングに対する知識・理解及びアウトラインの関連性について」
「英語確信度副詞のコーパス研究」
「日本語発話におけるオノマトペ調査」

(後期課程) 
“Display and Referential Questions: Addressing Problemsof Acceptability in Pre-task Responses”
「作文に見る学習者のヘッジ使用」
「学習段階の変化が日本語学習者の外来語使用に及ぼす影響:『日本語学習者書き言葉コーパス』を用いた縦断調査」

所属教員の紹介

石川 慎一郎 教授 外国語教育内容論特殊講義 II ほか
応用言語学の観点から、コーパス(大規模テキストデータベース)を使った英語・日本語の言語分析・教材分析・教材開発・語彙習得などを主として研究しています。あわせて、語彙処理の心理的機制や、小中高大での言語教育のカリキュラム設計、教授法・インストラクショナルデザインにも関心を持っています。科学的な視点から言語や教育の問題を考えてみたい学生を歓迎します。

木原 恵美子 准教授 外国語教授学習論特殊講義ほか
英語話者は構文をどのように選択しているのか、その背後にはどのような仕組みがあるのかを研究しています。英語母語話者だけではなく、英語学習者の話し言葉や書き言葉も分析しながら、英語の文法学習や教授法の研究を行っています。英文法の分析や記述に興味がある学生を歓迎します。

Tim Greer 教授 第二言語運用論特殊講義ほか
言語表現とそれを用いる人との関係に関心を持っています。会話分析を始めとし、質的調査方法を使用し、第二言語語用論(L2 Pragmatics)を専門にしています。二ヶ国語で行う会話、オーラル英語能力試験での会話、日常会話など様々な場面で「言葉を使った社会的行為」を研究しています。また、言語教育、教材分析、アイデンティティ構成、バイリンガリズム、などの研究も行っています。

佐藤 健 教授 外国語教育内容論特殊講義 Ⅰ ほか
外国語習得における認知的プロセスについて研究しています。特に、多義的語彙・表現の理解と学習に焦点を当て、教材や教授法(特にICT学習環境)への応用を目指しています。研究アプローチは、認知言語学の枠組みを基本に据えつつ、近年では社会文化的な視点を取り入れた研究も展開しています。

芹澤 円 助教 言語対照応用論特殊講義 Ⅰ ほか
歴史語用論の観点から、近世ドイツの印刷メディアにおける口語性・文語性、構文や語彙の分析をしています。また最近では、テクストと図像の関係性(ビジュアル・リテラシー)の分野にも関心を持っています。

陳 暁 講師 言語対照応用論特殊講義 Ⅱ ほか
中国の近世、特に清代中後期(18世紀)から民国(20世紀中葉)までの北京語について、様々な言語資料を用いて北京語の特徴に関する研究を行っています。例えば満漢合璧文献、諸外国の中国語教科書(明治時代の中国語教科書および西洋人が編んだ中国語教科書など)等における北京語の語彙、文法、音声及び歴史的変化についての研究を行っています。

 

所属学生からのメッセージ
 

David Shimamoto さん(博士後期課程 3 年)
国際教養大学専門職大学院英語教育実践領域修了
研究テーマ:Preparing for Second Language Tasks: A Conversation Analytic Studyof Pre-task Interaction

 As a master’s student, I first used ConversationAnalysis (CA) to examine the minute details of myinteractions with students, as well as students’interactions with one another. Thanks to this, Ideveloped a deeper understanding of how learnerscome to succeed in language learning. Thisprocess ultimately sparked my interest in using CAto become a better language educator.
 After completing my master’s degree, I wasaccepted into the Graduate School of InterculturalStudies, where I began my doctoral researchunder the supervision of Dr. Tim Greer. AdoptingC A , m y d i s s e r t a t i o n e x p l o r e s t h e s o c i a lorganization of second language tasks, with a particular focus on howinstructors support learners in preparing for task performance. Throughthis work, I have not only developed a strong foundation of skills andknowledge to become a well-rounded researcher, but I have also foundthat my research continues to play a central role in my ongoingprofessional development as a teacher.
 I owe much of this growth to the support of my peers and professors inthe graduate program. Through coursework, Shudan Shido, and colloquia, Ihave had many opportunities to present and discuss my research withscholars from diverse academic backgrounds. These valuable experienceshave helped me learn how to incorporate new perspectives into my ownwork. Although balancing full-time teaching with my doctoral studies hasbeen challenging at times, I feel incredibly fortunate to be part of agraduate program that has provided me with such meaningful personal andprofessional fulfillment.


益田 拓実さん(博士前期課程 2 年)
神戸大学大学院国際文化学研究科外国語教育コンテンツ論コース
研究テーマ:「英作文における英語学習者の動詞テンス・アスペクトの計量的分析」

 4 年間、学部で外国語教育について学ぶ中で、私は「言語をより計量的に捉えたい」「データに基づいて学習者の課題を明らかにしたい」という思いを抱くようになりました。その思いから大学院へ進学し、現在は日本語を母語とする英語学習者の動詞使用が、英語母語話者と比べてどのように異なるのかを研究しています。
 本研究で用いているのは「学習者コーパス」です。学習者や母語話者の作文・発話データを収集・蓄積したデータベースをもとに、語の頻度や共起関係、文脈上の使われ方などを量的・質的に分析し、学習者特有の傾向や困難の要因を探っています。数値として可視化される言語の特徴を手がかりに、新たな側面を発見できることが、コーパス研究の大きな魅力です。
 しかし、入学当初はコーパスを英文ライティングの補助的なツールとしてしか活用できておらず、研究としてどのように問いを立て、分析を進めればよいのか分からない状態でした。専門的なツールの扱いにも不安があり、手探りでのスタートでした。
 そうした中で、指導教員の先生からの丁寧かつ専門的なご指導、そして定期的な研究発表の場でいただく外国語教育コンテンツ論コースの先生方からの客観的なご助言が、私の研究を大きく前進させてくださいました。議論を通して視野が広がり、研究の問いを磨き続ける重要性を学びました。
 学部時代とは異なり、自律的に研究に取り組みながら、学内外で発表の機会を得られるこの研究室は、挑戦と成長の両方を実感できる環境です。学年やコースの垣根を越えて活発に議論できる風通しの良い雰囲気も大きな魅力です。言語をデータから探究する面白さを、ぜひ私たちと一緒に体験してみませんか。

 

修了学生からのメッセージ

陳 迪さん(2024 年度博士後期課程修了)
上海外国語大学国際文化交流研究科修士課程修了
研究テーマ:「日本語コーパスを用いた漢語動名詞の記述的分析-日本語教育への応用-」
現在、 神戸大学教養教育院非常勤講師

 現代日本語には、名詞として機能するだけでなく、「する」を伴ってサ変動詞化する漢語が数多く存在します。これらは「漢語動名詞」と呼ばれ、日本語の語彙体系において重要な位置を占めています。中国語を母語とする学習者は、漢字知識を共有していることから漢語の習得に有利だと考えられがちですが、実際には言語運用の場面において不自然な表現を用いてしまう例も少なくありません。私は、書籍や会話などの実際の言語使用データを収集した「コーパス」を活用し、日本語母語話者と日本語学習者のデータを計量的に分析することで、漢語動名詞の運用に見られる両者の特性を実証的に明らかにしてきました。こうした研究成果を、日本語教育の現場へ還元することを目指しています。
 博士後期課程の 3 年間、とくにゼミでは、指導教員の先生による熱心なご指導のもとで研究課題を深く掘り下げるとともに、院生同士の切磋琢磨を通じて研究の質を高めることができました。また、本コースの大きな魅力は、自身の専攻分野にとどまらない、開かれた学修環境にあります。ゼミの枠を越えて、日本語教育のみならず英語教育を専攻する学生と意見を交わす機会があり、さらに年 5 回実施される集団指導では、コーパス言語学、音声学、教育工学、会話分析、歴史語用論など、多岐にわたる専門分野の先生方から示唆に富む助言をいただくことができました。さらに、年 1 回のコロキアムでは、外国語教育システム論コースの先生方からもご指導を仰ぐ機会がありました。多くの先生方に支えられながら博士論文を完成させた経験は、研究者、そして教育者としての私のアイデンティティを確立する糧となりました。
 このように、外国語教育コンテンツ論コースには、専門性を磨きながら他分野の視点を取り入れ、視野を広げることのできる研究環境が整っており、そのおかげで非常に充実した研究生活を送ることができました。

 

尾﨑 祐真さん(2024 年度博士前期課程修了)
研究テーマ:「CG キャラクタと音声認識を用いた外国語スピーキング練習システムの検討と開発」
現在、 株式会社野村総合研究所

 現在は IT エンジニアとして、システムの要件定義から開発、テスト、さらにはお客様への提案まで、プロジェクトの全工程に携わっています。かつての研究テーマだった「ICT による語学学習支援」は形を変え、現在は「IT による企業の課題解決」として、お客様と共に成長することを目指す日々に繋がっています。
 在学中の経験で、最も今の仕事に生きていると感じるのは、定期的に行われた集団指導でのプレゼンテーションです。所属するコースには、コーパス言語学や会話分析など、多岐にわたる専門分野の教員や学生がいました。自身の分野の専門用語が通じない相手に対し、いかに自分の研究を分かりやすく伝えるか。試行錯誤しながらポスターやスライドを作成した経験は、現在、システムの専門家ではないお客様へ複雑な要件を説明する際の、私の大きな武器となっています。
 学部時代はプログラミング未経験で、当時は自分が IT 企業で働く姿など想像もしていませんでした。はじめは何も分からず、失敗の連続でしたが、たくさん調べ、何度もプログラムを修正し、少しずつできることが増えていく……。そんな「小さな成長」を積み重ねた経験が、今の私を作っています。
 「興味はあるけれど、自分には無理かもしれない……」と躊躇している人こそ、ぜひ一歩を踏み出してください。専門外の領域に飛び込む勇気は、修了後の皆さんのキャリアを力強く支えてくれるはずです。

 

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英語以外の外国語教育を学ぶことはできますか?

本コースでは、英語・日本語・中国語・ドイツ語の研究指導も行っており、所属学生もこれらの言語を専攻し、分析しています。多言語の視点から外国語教育を考えられるのも本コースの特徴の1つです。

英語教員免許を取得できますか?

学部時代に一種免許状を取得している場合は、博士前期課程で指定された科目の単位を取得することによって専修免許状を取得することができます。また、一種免許状を取得していない場合は、大学院に在籍しながら学部科目を並行履修して、教員免許(一種免許状)取得に必要な不足単位を補うことが可能です。

学部時代の専門が語学や教育学ではないのですが、本コースで研究していけるでしょうか?

これまでに在籍していた院生の学部時代の専門は、言語学・言語教育学のみならず、文学・法学・経済学・理工学などさまざまです。語学力と語学教育への熱意があれば、大学院において新たに外国語教育の研究を始めることも十分に可能です。本コースでは、導入的な講義を体系的に開講しているので、2年間で修士レベルの知識や分析スキルを身につけ、さらに、博士後期課程で研究を深めることができます。

留学経験者は多いのでしょうか?

在籍中に、 米国、ドイツ、 豪州などで留学を経験した学生も多くいます。また、 韓国で実地調査を行った学生もいました。 院生が留学しても、 指導教員はメールなどで頻繁に連絡をとり、きめ細やかな指導とサポートを提供しています。過去の在籍者には留学生も多く(中国、 米国、モーリタニア等)、 国際色豊かなコースです。

修了後の進路状況はどうですか?

教育職への就職が非常に多くなっています。前期課程修了者は、 全国の公私立の高校・中学校の英語教諭として活躍しており、 後期課程修了者は国公私立大学や海外の大学の教員に就職しています。この他にも、 民間企業の海外部門で活躍する修了生もいます。また、 小中高や大学で教員として勤務しながら本コースで研究活動に取り組んでいる学生もいます。

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