研究科長挨拶Message
神戸から始まる新しい国際文化研究
最終更新日 2023年3月17日
研究科長あいさつ
神戸大学大学院国際文化学研究科は 、2007 年に大学院総合人間科学研究科の改組により創設された、比較的新しい研究科です。私たちを取り巻く社会の様相はグローバル化の進展に伴ってますます複雑化し、時には激しい摩擦や対立が生じています。そのような刻々変化する現代社会の諸問題に対処するには複眼的なアプローチを備えた知の拠点が必要です。国際文化学研究科は、異文化共存を見据えた先端的な文化研究の推進を理念として掲げ、単一のディシプリンを越えた領域横断的な研究を積み重ねています。本研究科には2専攻、15のコースが設けられていますが、それは個別の専門領域を深く掘り下げながらも、そこに留まることなく、異分野の学問研究の養分を吸収しながら、従来にはないテーマや視点を探索し、これまで見えなかった問題群を発見するための配置となっています。
こうした領域横断的な国際文化学研究を推進するために、本研究科では、研究科内に国際文化学研究推進インスティテュートを設置し、その下に移住・移民研究センターと地域連携センターを置いています。人の移動がグローバルに展開する現代社会において、移住・移民が、異文化との接触の増加による様々な摩擦をもたらし、社会分断といった問題を引き起こしていますが、移住・移民研究センターにおいては国内外の研究者と連携し、文理融合の協働によってそうした問題を解消・予防するとともに、むしろそこに価値を生み出す構造に転換しようと挑戦しています。また地域連携センターでは、神戸市や姫路市などの地方自治体との連携を強めながらグローバルな視点で地域の課題解決に取り組む共同研究を積極的に行っています。さらに人間文化研究機構の「グローバル地域研究事業」において、本研究科が「東ユーラシア」に関する研究拠点として採択されたことから、少子高齢化に伴う社会事象に焦点を当てた多文化共存の特徴を解明する研究も進めるなど、まさに多様な研究プロジェクトを展開しています。
本研究科では多彩な専門と経験を有する教員・学生が自由闊達に意見を交わしながら研究を進めていく環境が整っています。海外からの留学生も多数おり、この研究科自体が地球全体の縮図であるといっても過言ではありません。海外の大学への交換留学や海外大学でも学位取得ができるダブルディグリー・プログラム、また日本語教師養成サブコースなどの制度を整えて皆様をお待ちしています。グローバル化する世界で生じる問題の解決には多様なアクターに対する共感と想像力が不可欠です。この研究科に集う皆さんがそれぞれの専門的知識と知性を結集して、未来につながる新たな公共的価値の創造に取り組んで下さることを心から期待しています。
研究科長 藤濤 文子
研究科の理念と目標 (Our Mission and Aims)
国際文化学研究科は、異文化共存を見据えた文化研究の先端的領域を開発し、人類文化を把握するための新たなパラダイムを構築することをその理念としています。
そしてそれを実現するために、以下の5 つの研究目標を設けています。
- 文化を複合体と捉え、異文化間の関係性を視座として文化研究を行う。
- 複合体としての文化を、衝突、融合、交渉などの異文化間の相互作用という視座から、動態的に研究する。
- グローバル化する現代世界の文化変容を多角的に研究する。
- 言語や情報に関わる先端的コミュニケーション研究の開発を行なう。
- 中心/ 周縁、文明/ 未開、先進/ 後進などの一元的で単眼的なパラダイムから、多元的で複眼的なパラダイムヘのシフトを実現し、現代世界の文化動態に則した研究方法を開拓する。
アドミッション・ポリシー、ディプロマ・ポリシー
アドミッション・ポリシー (Admission Policy)
国際文化学研究科では、高い異文化理解能力と自在なコミュニケーション能力を有し、豊かな学識と創造的な研究能力を備えた人材を育成することを目指しています。
上記の教育研究上の目標をふまえ、本研究科が求めるのは次のような学生です。
前期課程 Master’s Program |
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後期課程 Doctoral Program |
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ディプロマ・ポリシー (Diploma Policy)
国際文化学研究科は、深い異文化理解能力と自在なコミュニケーション能力を有し、豊かな学識と創造的な研究能力を備えた人材を育成することを目指しています。この目的を達成するため、以下に示す方針に従って当該学位を授与します。
前期課程 Master’s Program | 本研究科に原則2年以上在学し、履修要件として定めた所定の単位を修得し、かつ必要な研究指導を受けた上、修士論文又は特定の課題についての研究成果の審査及び最終試験に合格すること。全学のディプロマ・ポリシーに定める人間性・創造性・国際性・専門性の四つに加え、学生が修了までに身につけるべき能力を次のとおりとします。 ・文化が多様であること、それらの文化が相互に影響しながら変容するものであることを理解し、異文化間の関係性を多角的に探究することができる能力。 |
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後期課程 Doctoral Program | 本研究科に原則3年以上在学し、履修要件として定めた所定の単位を修得し、かつ必要な研究指導を受けた上、博士論文の審査及び最終試験に合格すること。全学のディプロマ・ポリシーに定める四つの能力に加え、学生が修了までに身につけるべき能力を次のとおりとする。 ・多様かつ相互に影響しながら変容する諸文化の構造と動態を究明し、文化研究の先端的な領域を主体的に開拓することができる能力。 |